Aguirre
フローリアン・フリッケによるドイツの静謐系バンド、ポポル・ヴーのアルバム。1976作
本作はウェルナー・ヘルツォーク監督「アギーレ、神の怒り」のサントラで、実際の制作時期は
1971年前後と思われる。うっすらとしたシンセを中心とした静謐感漂う神秘的なサウンドだ。
2nd以降はデジタルなシンセを捨てピアノとギターを中心にした作風となってゆくフリッケだが、
このサントラ作では、1stに通じるシンセによる静謐で空間的な広がりを聴かせてくれる。
土着的なパーカッションとともに、桃源郷を思わせるような神秘性の表現が見事だ。
Popol Vuh: The Definitive Edition Of The Mayan Book Of The Dawn Of Life And The Glories Of
この本は古代マヤ族の古事記ともいえるものである。スペイン征服以前のマヤ族の創世記を含む神々の時代の神話や、彼らの伝説の故郷からのくるしい旅から次第に勢力を広げて一大王国を建ててゆくさまをダイナミックに描く。
テドロック博士の翻訳はこの書を余りにもマヤシャーマンの聖書という観点から訳そうとしているのが、個人的にはこの書を日本の古事記のような王朝の書と考える私は好きにはなれない点。しかしテドロックの訳しかたは華麗なマヤの世界を良く再現している。一つの優れた翻訳としてお勧めできる物である。
なお、決定版とサブ・タイトルがついてはいるが、これをカーマック博士やブラザーストン博士などの北米のほかのマヤ学者にいうと苦笑いされるのが普通。これはテドロック博!士の訳は一つの良訳ではあっても他の訳し方も可能だからである。
ポポル・ヴフ (中公文庫 レ 2-1)
スペイン人の侵略によって徹底的に破壊されたアメリカ先住民マヤの辛うじて記述・保存された貴重な神話伝承のテクストです。万物の創造から双子の神の活躍、太陽と月の起源物語などキチェー族の神話が語られています。
神話や伝説、民間伝承、民俗学、文化人類学、等々に関心のある方には必読の書と言ってもよいでしょう。