Music Has The Right To Children [解説付き・国内盤]
太くゆったりとしたヒップ・ホップのリズムの上にアナログ・シンセサイザーの不思議に懐かしい音色が乗り,様々な声のサンプリングが散りばめられている。言ってしまえばこれだけなのに彼らの音楽はとても幻想的で美しくて情感があると思います。あまりテクノ・エレクトロニカには詳しくないのですが、このB.O.C.に似ているといって奨められたアーティストを聴いてみても(気に入る、気に入らないは別にして)あんまり似てないよなーと思うことがしばしばあります。他とは一線を画すというんでしょうか。
この中では10."roygbiv", 12."aquarius", 18."happy cycling"がとくにおすすめですが、アルバムの統一感が高いので、個々の曲を切り出して評価するのはあまり意味がないかも。
Geogaddi [解説・ボーナストラック付き国内盤] (BRC51)
スコットランドに暮らすマイク・サンディソンとマーカス・イオンによる音響創作ユニットBoard Of Canadaの2nd。2002年リリース。
まさにエレクトロニカの決定盤と言える出来映えである。彼らによってサンプリングされた音群は彼らの手で再構成され、言ってみればトランス状態の音のオブジェとなって一曲一曲降ってくる。その音群はブライアン・イーノでもなくレディオヘッドでもない別の場所へ聴く者を連れ去る。
実は彼らのキャリアは古く自身のレーベルであるMusic70から最初のアルバムをリリースしたのは1987年で当初はカセットテープでのリリースだった。正に自宅録音派のハシリみたいな彼らだ。何となくその延長線上にある音をこのアルバムに感じたりするのは僕だけではない気がする。
Geogaddi (WARPCD101)
エレクトロニカというジャンルでは言わずと知れたBOC。
このアルバムは彼らの2ndに相当する。
ブレイクビーツ、アンビエント、サイケデリック・ノイズ、ボイス・サンプル
その他多くの要素を自由自在にミキシングしてしまうセンスは健在だ。
できれば彼らのアルバム全部購入して聞くことをお勧めしたいが、
この1枚だけでも脳の中は充分にやられる。(お勧め曲は"1969")
ビートルズが最初に試みたレコードの逆回転するサウンド手法を
今回のBOCも応用している点は興味深い。
この手の音楽はポップスやロックなどのリスナーには取っ付きにくいかもしれない。
しかし自分の音楽性を豊かにしたいと少しでもお思いならばこれは聴くべきだ。