服が掟だ!
「衿なしスーツ女の謎」、「ブランド・ジャンキー女の謎」など筆者独自の切り口で一般人から日米欧の有名人までのファッションをばっさりと批評するエッセイが、本書である。日本の有名人のファッションにここまで言っていいの?と思っても共感することが多い。エッセイにはこれまたどんぴしゃりの筆者自身のイラストもついていておもしろさ倍増である。読者が欧米の映画好きなら、もっと楽しめるだろう。 かなりの辛口批評に「ファッションなんて自分の好きなものを着ればいいじゃないか」とセンスに自信がない人は思うかもしれない。もちろんそのとおりであるが、目くじらをたてるほどではない。確かにこういう服を着ている人がいるとか、こういうセンスもあるんだと楽しめる。
90年代半ばまでのファッション動向を対象としているので、10代の人にはちょっとピンとこないかもしれないが、20代半ば以上の人には「ああ、あのころあんなファッションが流行していた」、「あんな服着ているタレントがいた」などと楽しめるだろう。