ここはボツコニアン
最初、けっこうとまどいました。
主人公が12歳の誕生日に、枕元に長靴があらわれ、選ばれた存在であることが明らかになる・・・
で、RPGゲームのノベライゼーションかと思って読み出したところ、作者がしょっちゅう出てきて「わたしもそうでした」とか「チュートリアルとはこういうものです」とか外部から注釈をつけます。さらに「世界のトリセツ(取り説)です」と名告る植木鉢があらわれ、相棒として出てきた少女を、突然、主人公の双子であると説明し、ふたりの旅の目的を告げるほか、あちこちで映画による楽屋落ちを入れたり、脱力系の笑いをとったりします。
「オレたちが双子なら、どうして今まで別れ別れになってたんだ?」
「その方が、こうして巡り合ったとき盛り上がるからです」
というようなぐあい。
何とこの世界は、「本物の世界」でボツになったゲームねたの溜まり場で、出来損ないの世界でした。ふたりは「この世界の成り立ちを変えて、この世界を本物の世界にするため」と植木鉢に言われて、旅に出ることになります。
この話、建設中のゲーム世界として、作者目線で読めば、私的なゲーム体験の思い出や失敗譚があちこちにちりばめられた回想記にもなっています。
そして主人公の双子目線で読むと、最初からふたりはここがゲーム世界で、しかもしょうもないボツねたが満載であることを知っているうえ、「本物の世界」から時折お告げも受けてしまうので、冒険に切実さと悲壮さがありません(笑)。ゆるい道中記です。
同じ人物が違う場所で二役をやっているのに出くわしたり、安直な便利アイテムがすぐ手に入ったり、頼みのトリセツが重要なときに、某有名ゲームをやっていて役に立たなかったりと、ふたりの行く世界は、既視感と楽屋落ちと外部からのツッコミに満ち満ちています。
地下迷宮、宝地図、忍者の群れ・・・と章を追って、冒険は進み、この世界を作るはずの作者は、映画やゲームを引用したり参照したり、とひたすら楽しそうですし、お約束ごとに満ちたゲームの中をゲームと知りつつ行く双子の冒険の行方はいかに?(全然先が見えず、次巻に続く)
不思議なジャンルです。もしかしたら、ゲームをめぐるとてもゆるいエッセイなのかもしれず、あるいは物語とゲームを架橋して、連想と注釈と複数の語りでまとめあげるユニークな形式の小説なのかもしれず。
作者が構想中のゲームについてとりとめなく語る「メイキング・オブ・ゲーム」裏話というのが一番近いかも知れません。
ファンタジー小説ではありません。
そのあたりを納得してから読み始めれば、宮部ファンでなくても、読者側の経験に応じてそれなりに楽しめます。
ナムコ・ビデオ・ゲーム・ミュージック
80年代ナムコアーケードの名作をYMOの細野晴臣監修で出来た最古の
ゲームアルバム。小学生の時兄貴が買ったレコードをテープに録音
させてもらって聞きまくってました。リアルタイムに駄菓子屋や
薄暗いゲーセンでプレイしていた方にはたまらない作品です。
チープな音源から1プレイに命をかけていた当時を思い出します。
ナムコミュージアム Vol.1 PlayStation the Best
このソフトに入っているゲームは、以降VOL2からアンコールまでとは違って、ナムコ初期の名作ばかり入っています。誰もが知っているパックマン、ギャラクシャンなどをはじめ、今日のゲームの原点になるものがてんこもりです。
言わば、ゲームの基礎なのです。当時小学生だった私はひたすらパックマンばかりゲーセンでプレイしていたのを思い出します。そんな思い出のある人向けソフトでもあります。当時を知らない人たちは、ちょっと物足りない感じがします。単なる面クリタイプばかりだからです。
しかし、その中でも新しいものを発見するいい機会でもあると思います。特にトイポップは当時知らなかった私ですが、はまりにはまりました。ちょっと得した気分です。
LEGEND 80’S SERIES「ナムコ・アーケード 80’S」
80年代からゲームセンターと共にリアルタイムに生きてきた自分にとって、
これらの曲から思い出される情景は、ついこの前の事の様な気がしてしまいます。
このアルバムは過去CD化される事が無かったゲームタイトルはもちろん、
CD化されても収録される事のなかった曲も余すところなく収録されています。
80年代を鮮明に思い出してみたい全てのお年寄りゲーマーにオススメ致します!