Tin Machine II
ボウイ自身結構力が入っている。曲も良いし本人曰く当初なんとなくバンドになった、というにはあまりにしっかりした内容に仕上がっており、底力をみせる。ボウイはソロが前作、前々作とコケてからのツアー中はシカゴ・ブルースばかり繰り返し聴いていたらしいが、当時を感じさせるアンニュイな「グッバイ・MR.エド」など彼の「ブルーズ」であり名曲だ。80’s以降のボウイの中ではこの曲が筆者は一番好きだ。彼の定期的な立ち位置確認の真っ只中に発表されたに違いない本作だが、当時年齢的、アーチスト的にもかなりシビアな時期にあっただろうボウイの書いた曲にはそれぞれに陰影があり素晴らしい。ソロ〜バンドと全く別物ではなくボウイ的には一本筋が通っている。歌唱も声のバリエーションで聴かせており、バックアップする演奏も手堅い。リーヴスはかなり面白い事をやっていて、やはり彼はティン・マシーンでのプレイが一番良い。この真面目さと男臭さが一般には受けなかったが、しかしこれも小規模ツアーしかやらなかった彼らの意図でもあるだろう。当時のシーンではマージナルな印象だったが、現在聴くとそれが不思議なくらいのクオリティーを持った作品だ。惜しむらくはジャケット。自身がアートも手がけるボウイが何故?と思う程最低なこれが一番の敗因だと思う。(1stの鋤田さんとは何万光年のズレ。)ちなみにセイルス兄弟はコメディアンのスーピー・セイルスの子息でバディ・リッチの世話で芸能界に入ったとか。漆黒のベルリン時代、イギー&ジギーを支えたのが彼らであると思うとそれも中々に感慨深いものがある。
Tin Machine
1989年リリースのファーストアルバム。デヴィッドボウイのアルバムの中でも、とっても人気のないアルバムでしょう・・・中古市場を見れば、よくおわかりかと(笑)。個人的にボウイのアルバムは会社の後輩の影響で、そこそこ手を出していましたが、このアルバムはなかなか手がでなかったですね。でも、先日ついに思い切って購入しました・・・基本「悪くない」です、このアルバム!ただ言えるのは、80年代のバブリーな印象を追いかけると当然裏切られる事と、印象に残る楽曲があまりない事でしょう・・・とは言え、この趣は普通のバンドには醸し出せませんが。デヴィッドボウイのボーカルスタイルはやはり唯一無二で、流石カッコいいの一言でした・・・想像以上に凄かったのが、リーヴスガブレルスのギターワークで、なかなか変態的なソロを聴かせています。個人的にはリーヴスがいる事によって、エイドリアンブリュー(G)と演っている感覚のボウイが、このアルバムにはありました・・・よく見つけたよね、このギタリスト!因みにリズムセクションは、お顔がとても濃い兄弟:トニーセールス(B)・ハントセールス(Dr)。このフォーマットは、(大した事ないけど)「BUS STOP」のカントリーヴァージョン(パリでのLIVE)が追加されているのでちょっとお得・・・日本盤にもついているフォーマット有。
Tin Machine [ENHANCED CD]
当時は評判よくなかったので、最近始めて聴いたがとてもよいではないか。最近のアルバムのように、ギミック無しのバンド形式でもボウイの曲は優れていることがすでによくわかる。