Black Lamb and Grey Falcon: A Journey Through Yugoslavia (Classic, 20th-Century, Penguin)
ボスニア戦争以来バルカン関連本が多数出版されたが、著者たちはおしなべて本書を読んでいた。バルカンに興味を持つ人間にはバイブルのような一冊かもしれない。
レベッカ・ウェスト(1892~1983)は英国の作家、文筆家。若い頃には左派の政治活動も行っている。
本書はウェストによるユーゴスラヴィア旅行記である。1934年マルセイユで起こったユーゴスラヴィア王アレクサンダー暗殺の回想から語り起こされ、執筆当時は第二次大戦前夜、ウェストが筆を置く頃、バルカンはすでにヒトラーとムッソリーニによって蹂躙されていた。
流麗な英文で綴られるユーゴスラビア各地の「物語」は古代から近現代まで---歴史と神話、政治史と外交史、芸術と産業、宗教と習俗---考えられうる限りの多岐に渡っている。
ウェストの博識に圧倒されつつ、語り口の詩的軽妙さ、鋭敏な洞察力、深い哲学的考察、人々を描く優しくユーモラスな筆使いに絶え間なく魅了される。
本書はユーゴスラヴィアに捧げた愛の本と言ってもいい。しかし語られるのは人類全てに共通する光と闇だ。故に本書は決して古びない。ウェストは「人間なるもの」を探してユーゴスラヴィアに行ったのである。
Black Lamb(黒い子羊)とGrey Falcon(灰色の鷹)が何を象徴するかは、是非本書で読み取って頂けたら。掛け値なしの名著。
7つの習慣 最優先事項―「人生の選択」と時間の原則
本書は私が日頃なにげなく感じている事を理論的に代弁してくれたようで、読み終わって何とも言えぬ爽快感を感じました。
著者は、物事には「緊急」か「緊急でない」と、「重要」か「重要でない」で分類される4つの「時間管理のマトリックス」があると説いています。「緊急で重要」な事は病気や事故、危機や災害などで人生を豊かにするものではなく、一番大切な事は「緊急でない」が「重要」な事だと説明しています。
しかし私たちは、物事の優先順序を重要度でなく緊急度で決定しています。そして緊急な事をすればするほど、重要な事をする時間がなくなるというパラドックスに陥るのです。緊急に遭遇した時に放出されるアドレナリンに慣れてしまっている人は、興奮とエネルギーを得るためにさらに緊急を求めます。ただ動き続けるために緊急を求める緊急中毒になってしまっている人もいます。つまり私たちは、忙しくすることで安心感を得ているのであり、重要事項が実行できない格好の言い訳としているのです。
ただちに対応しなければならないニーズばかりに対応していると緊急中毒になり、「忙しいのだから、効率的でなければならない」と思いこんで緊急事項にさらに優先順位をつけ、他人の緊急な要求に応えることで放出されるアドレナリンの「爽快感」にますます依存するようになります。
大きな目標のために役立つ行動や、人生に豊かさや意義をもたらす重要なことが私たちに働きかけてくることはありません。なぜなら、それらは「緊急」ではないからです。それらは、私たちのほうから働きかけなければならないのです。人生こんなはずではなかったという原因は自分自身の中にもあるのです。「重要度」で物事を優先させる人生がどれだけ大切か、またそれはどうしたら実行できるのか。それを知るのに非常に有用な良書です。
文明はなぜ崩壊するのか
数々の文明の滅亡は、人間の脳と環境の変化が原因で
脳の進化は一定だが、世の中の環境変化はスピードを増して進む。
マヤ文明を例えてますが、気候変動、食料不足、蔓延するウイルス
また人口の爆発的増加により、問題が複雑に重なって
脳が思考出来なくなる状態になり、問題が先送りされる。
この繰り返しが文明崩壊の原因と定義し、
これを「認知閾(にんちいき)」と呼んでいる。
人間は日々の生活を営む上で、情報を得たり思考したり
感情を抱いたり行動もする。これを「ミーム」と定義し、
また、より広く浸透し、強固に根付いた信念で、
他の信念や行動まで抑圧し、影響を与えることを
「スーパーミーム」と定義している。
スーパーミームはあらゆる場面、日常的に
我々の心に現れて思考を停止させる。
(以下一部スーパーミーム)
・反対はするが対案は無い。
・個人に責任を転嫁し問題を解決したことに酔いしれる。
・物事の原因は不明だが、「これだ!」とこじつける。
・思考を細分化することで、問題が複雑にはなるが
それを共有はしないし、協力もしない。(ビジネス面)
・すべての価値は「カネ・価格」が中心。
現代の認知閾の一部が上記のようなものであり
やがて現代社会は、対応できずに過去と同様
文明(現代社会)崩壊を繰り返すのではないかと警鐘を鳴らしている。
著者は一応、ではどうすればいいか?という提案もしている。
詳細は本著でお願いいたいます。
文明が衰退するのを阻止するのは、もはや対処療法では無理で
スーパーミームを打破し、小さな努力をいくつも重ねる(何でもやる)
緩和策を同時並行する、平行漸進主義を実行し
「ひらめき」が出る脳トレが必要と力説している。
あと最後ですが「訳者あとがき」の数ページは、
個人的に目から鱗でした。
GOLDEN☆BEST REBECCA
「REBECCA COMPLETE BOX 〜20th anniversary〜」に収録されなかった、シングルバージョンの「ラブ・イス・Cash」や「Raspberry Dream」、B面曲の「ヴァージニティー(LIVE VERSION)」がやっとリマスタリングされました!! 残るは12inchの「BOTTOM LINE(Extended Dance Mix)」ですかね。。。