五輪書 (講談社学術文庫)
吉川英治の「宮本武蔵」を子供頃読み、剣豪物というよりは、成長物語的な内容であり、心躍らせていました。小説なので真実はわかりませんが、その後、宮本武蔵はどうなるのか?ということから、五輪書というものが、当然クローズアップしました。以前甲野善紀さんの古武術がブームになったときにも見直されていたように思います。妙な武士道ブームもありましたが…。古典であるため、何度も読んでも染みますね。感情的なものがなく、冷徹な内容であり、淡々と武士としての在り方が記載されている。鎌田氏の解説が邪魔という意見がありましたが、解説が無いとわからない部分もあり、邪魔になるまで読み続ける必要があるような気がします。読むたびに感性が引き締まる気がします。解説者の意見がすべて正しいとは思いませんが、こちらも成長して意見が変わってくることもある。まさにこの本とともに人は成長できるかもしれません。
なんども挫折しても結構文面が好きなのは戦争論、長いですが、解説書はいくつか読んでいる。本質を語り、意味を追う本だと個人的には思います。武士道も日本語の跡に英文を読み、意味は?という感じですが、人のあるべき姿として参考になることでしょう。一般向けではない気はしますが…。