体制維新――大阪都 (文春新書)
橋下氏の「大阪都」構想が分かりやすく書いてあります。さらに堺屋太一氏の歴史観を踏まえた解説が加わり、今何が必要なのかが示されています。
このような本をあまり読んだことがないので、政治情勢に詳しい方はあるいは物足りないかもしれませんが、私にとってはこれからの世の中を考えていく上で非常に内容のある一冊でした。
第三の敗戦
第一の敗戦が幕末、
第二の敗戦が太平洋戦争。
そして第三の敗戦が「大震災と無能政治集団」。
緊急警告!と堺屋先生は書かれているが
実際に既に緊急事態だとわかる。
この本は、全日本人が読むべき本だと思う。
そして一人でも多くの日本人が、次の繁栄への
道筋を見つけるヒントを得て欲しい。
本当に異常事態の日本、祖国を愛する日本人が
力強い歩みを続けるために、勇気をくれる本でもある。
日はまた昇る、日本は第3の繁栄時代の扉を必ず
開くことが出来ると信じています。
大阪維新 角川SSC新書 橋下改革が日本を変える (角川SSC新書)
本書は、橋下大阪府知事のブレーンである上山信一氏が書いた本です。
・ 前半部分は、(記述そのものは興味深いものの)あまり大阪のことには関係のない日本の社会・政治・行政状況に関する一般的な解説。
・ 後半は、橋下知事のこれまでの行動・業績を簡単に振り返った記述。
私は、「大阪都構想」についてもっと深く知りたいと思って本書を手にとりました。
「大阪都構想」は、橋下知事が代表を務める「大阪維新の会」の一枚看板であり、大阪の枠組みをどうするかというとても重大なテーマ。それにもかかわらず、イメージばかりが先行し議論が深まっていないと感じるからです。
しかし、本書の「大阪都構想」に関する記述はごくわずかです。いま最もホットなテーマが具体的に書かれていないことに、私は少しがっかりしました。
本書は、よくいえば「さまざまな事項がバランスよく書かれている」と言えるし、悪く言えば「これまでの新聞記事を簡単にまとめただけ」という感じもします。しかも、橋下知事の人物・業績が手放しで礼賛されている書きぶりは、人によって好悪が分かれると思います。
「物足りない」としか言いようのない本ですが、「橋下政治を簡単に振り返ってみたい」という人には一定の意義がある本かも知れません。
峠の群像 [DVD]
農本主義から重商主義への転換期という経済小説の要素が入った忠臣蔵です。そのため、仇討ち派の描写と並行して、仇討ちに参加せず、塩田開発に賭ける、石野七郎次(松平健)一派の描写もあります。
主役の大石内蔵助(緒方拳)は、狂言回しと言ってもよく、浪士の中では、不破数右衛門(小林薫)と片岡源五右衛門(郷ひろみ)の動きが大きな役割を果たし(また二人ともカッコイイ特に小林薫)、堀部安兵衛が完全に霞んでいます。
石野達は、塩田開発を続けるため武士である事を捨てざるを得なくなりますが、仇討ち成功後、不忠者として赤穂を追われます。大石と別れの際、大石から「多分、誰も間違っていない。」と立場や考えの違いを理解するセリフがあっただけにやりきれません。
バカ殿丸出しの徳川綱吉(竹脇無我)、天然ボケな町子(吉田日出子)、そんな二人の間で仕事をこなす柳沢吉保(岡本富士太)の描写や、ちょっとベタでくどかったけど、石野と竹島素良(多岐川裕美)、片岡と十文字屋おゆう(古手川祐子)、不破と竹屋美波(樋口可南子)ラブロマンスも彩りをそえてくれました。
難を言わせて貰うと、オープニング音楽は素晴らしいのに、画面は露光過多でクレジットが読み難い事です。