アダルト・エデュケーション
前回の「ダブル・ファンタジー」が良かったので今回も手に取りました。
期待を裏切る事無く今回の作品集もとても良かったです。
1 あと少しの忍耐 2 それでも前へ進め
3 あなたのための秘密 4 最後の一線
5 これでおあいこ 6 言葉はいらない
7 不死鳥の羽ばたき 8 聖夜の指先
9 哀しい生きもの 10 ひとりの時間
11 罪の効用 12 誰も知らない私
これら12のストーリーから成る長編連作小説です。
12人の女性達、それぞれ個性も性格も異なっていますが、自分と照らし合わせて見たり、
時には感情移入して応援したくなったり切なくなったり…
性の描写もありますが何故か不思議と村山さんの描き方はさらっと読め
不快な感じも全く残りません。
共感出来る部分も多々あり大人の女性には特にお薦めしたい1冊です。
次作もかなり楽しみです。
おいしいコーヒーのいれ方 Second Season (4) 彼方の声 (JUMP j BOOKS)
前作に引き続き、オーストラリア編。
キャリアの長い作家さんなので、普通に読めるのですが、普通に読めるだけともいえます。
ファーストシーズンで、勝利とかれんの物語は、すでに出尽くしていたので、あとは伏線を畳むだけだけったはずなのですが、なぜここで広げてしまったのか……。
人気があったことが、裏目に出たとしか思えない。
勝利とかれんの物語を終えて、あとはそれぞれの人物の、番外編でもよかったと思います。
そういう選択肢を提示できなかった、出版社にも問題があると思います。
欲望 [DVD]
板谷由夏さんという女優さんを初めて認識したのですが、演技力、体当たりで役に挑んでいく情熱に感動しました。
主演の彼女があまりにすごすぎるため、相手役の俳優の方は完全に食われてしまっていてちょっと可哀想なほど。
地味ながら内なる欲望を抱え、それを開花させていく主人公の気持ちが伝わり、泣けてしまいました。
ラブ・シーンもこってりと描かれておりますが、この濃厚さはドラマの上で必要なものだと感じられます。
数年後に見返したくなる心に残る作品です。
TANNKA 短歌 [DVD]
本作の製作は、東映大泉スタジオだ。暖簾貸しではなく東映の自社製作なのに、なぜ監督が「アレ」なのか?メイキングを観ても、もはや演出以前の問題ではないか。女性を綺麗に、官能的に撮れる監督はいくらでもいるのに、どうして素人なのか?黒谷友香も一糸纏わぬ姿で熱演しているのに、あんまりである。唯一、仙元誠三が撮影していたのが救いだろう。黒谷は、小雪とか伊東美咲とか、どちらかというとモデル体型なので、ヌードになってもカッコいい。でもカッコ良すぎて、官能的ではないかも。仙元の舐めるようなカメラワークは秀逸で、とくにラブシーンは素晴らしかった。その他のシーンは仙元らしからぬ凡庸さが目立ったが、これは指示を出せない監督の責任だろう。ベリーダンスの撮り方なんて、ちょっと?だったし。結局、ストーリーが支離滅裂なため、仙元誠三による、黒谷友香のプロモーションヴィデオの趣である。黒谷ファンは必携のDVDだが、活動写真ファンにはきつい一作(笑)。
放蕩記
共感できる部分がないと言ったらウソにはなるものの、
本当にこれは村山先生の自伝なのだろうかと謎に思うところがある。
今まで読んできた本の美しさというものが薄れ、
どちらかというとダークなよくある恋愛小説のような感じで残念だ。
他の海外を基盤としたお話の方が泣けるし、とても面白いと思った。
久しぶりに作品を読んだら残念な感じになっていて、微妙だった。
自伝という感じには思えず、
あくまでもフィクションから脱していないのではないかと思った。
これを本当に本人の自伝と思って読んだら、
作者の思うつぼというところだろうと思う。