「あの子を探して」ができるまで [DVD]
出演者が素人の子供達ばかりというのを映画鑑賞後に聞き、『へぇ~』とトリビアした事を覚えていました。なかなか演技で泣けない子供達をなんとか泣かす場面があって、最後に監督との別れの場面で本当に泣く子供達には感動しました。メイキングも作品にしてしまう監督の手腕に『へぇ~』
あの子を探して [DVD]
DVD買いましたが、何度も観てしまいます。
映像が語る映画です。しかも現実感あふれる演出なのに、子供たちのやってることが、信じられないくらいはちゃめちゃなのが楽しい!
映像の美しさに加えて、ドキュメントタッチで静かに登場人物一人一人の個性がこんなに自然に生き生きと描かれて、それでいて重圧な雰囲気にならなくて、下手すると爆笑、爆泣になりかねない、しかもこんなに懐かしい思いにさせられる、こんな映画は初めてです。
はっきり言って、ここ2~3年で最高の映画です。もう宝物ですね。
あの子を探して【字幕版】 [VHS]
おもしろかったのは、代用教員であるミンジがまるでやる気のない先生だというところです。ミンジは報奨金ゲットのために生徒の未来や将来も考えずに一途に行動する、そのしたたかさと自己チューのところが現代中国を象徴しているなーと思いました。そして、その表情がまた独特なのです。可愛くない、素直じゃない、目つきが悪い、能力がない、短気である、とまあ、さんざんないわれ方ですが、映画はこのミンジのキャラでなければおもしろくはならなかったはずです。タイトルからして、迷子探しの「お涙頂戴」モノかと思っていたので、この予想外の設定には思わず引き込まれました。そして、とうとう、ミンジのTV出演の場面には、ムググッときたのです。それもこれも、ミンジの要領悪すぎの3日間がミンジのこぼれる涙でカタルシスとなり、その涙に呼応する迷子のホエクーの表情がものすごかったからです。現代日本では絶滅したホエクー的少年は、まだ、中国にはいるのですね。寄付金まで手にして帰村するくだりにはやや戸惑いを覚えましたが、エンディングのチョーク一文字の場面は、非漢字文化圏(ヴェネチア)の人間にとっては神秘的な感動すらあったでしょうね。
「初恋のきた道/あの子を探して」オリジナル・サウンドトラック
「初恋」というテーマをあれほど純粋な作品に仕上げてしまったことも
ひとつびっくりなのだが、それ以上にサントラの構成に私は驚いた。
作品を見ていたときはあまり感じなかったのだが、同じメロディーの
ヴァリエーションがほとんどを占めていたとは・・・。
カラーとモノクロの映像効果が印象的で、また主演のチャン・ツィイーが
愛らしくて・・・。音楽には誰もが泣かされていた。
もしもっと違うメロディーもあったなら、このサントラの評価は今以上では
なかったかと思う。
あの子を探して [DVD]
登場人物の多くがぶっきらぼうで自己中心的でいながら、どことなく優しくて、いい味を出している。上海を旅したことがあるので、街中はそうそうこのように自転車に轢かれないように道を横断しなくっちゃとか、屋台の様子とか思い出しながら楽しく観ることができた。今度は機会があったら村部も訪ねてみたいなという夢も持たせてくれた。筋が明快、せりふが簡単なので、中国語の初級・中級学習者のかたがヒアリング力アップの為に活用されるのにもお勧め。