谷川俊太郎 oblaat01 ポエミクロシリーズ 「顕微鏡のための詩 五編」
プレパラートをセットし、詩を探す。これが理系のような気持ちで、詩に向かうという不思議な感覚。そして詩を探し当て、フォーカスを合わせ、光の具合を調整。向きによっては文字が影になったり虹色に光ったりする。その美しさに、自分は何をしているんだろうと一瞬考えたりしながら、一番好きな光の当て方を調整して読み進めていく。そして詩の内容が脳に入ってくる。普通の読書とはまったく異なる新鮮な体験。5編の詩を読み終えると、5歳から45歳以上と表示された対象年齢に納得がいく。宇宙と自分の関係をモチーフにした「20億光年の孤独」でデビューした谷川俊太郎の興味はこんどはミクロの宇宙へと向かっていくのか。「シリーズ」の新作も楽しみ。
やさしい理系数学 (河合塾SERIES)
意外と書かれていませんが、見通しの良い解法が多いです。根性で解いたけど…っていう問題に対しても、新たな感動があって良いです。(シュワルツの不等式はここで使うのか…、ベクトルの始点はこっちのが良いのかなど)
また別解も多いのでこの本をマスターすれば、一つの問題に対し数多くの方針が思いつくようになります。
なかなかの良書です。
理系大学受験化学1・2の新演習 改訂版
確かにここまでやらなくても他の問題を取れば大概合格できますが、実際結構ざらに出てくる問題ですしやっておいて損はない
それに一般的に受験化学は知識に傾倒しているのは事実
重たくマニアックな問題があり、その分時間もかかります
あくまでも標準的な重要問題集レベルの問題集を仕上げるのが前提です
1対1対応の演習/数学III―大学への数学 (1対1シリーズ)
知り合いの高校生から相談を受けて勧めました。(私は数学を仕事にしてはいませんが。)
本屋でページをめくった時に「受験数学はこんなにコンパクトにまとまるんだ」という妙にすっきりと何かが分かった気がしました。
これほど、見渡しよく標準問題を並べた本も珍しいと思います。
「受験問題、見かけはいろいろあるけど、何通りかの視点から問題を眺めて解法パターンにあてはめ、出題者の意図に沿った答案を素直に書く。」とことの大切さを教えてくれます。それができれば、後は計算間違いに気をつければ答えにたどり着けるし、焦点が定まらないままだと、さっぱりダメという受験の側面を教えてくれます。
気の毒なのは、まじめだけど少し気弱という子が、やみくもに模試を受けたり受験問題集を開いたりして、気持ちが焦って吸収しないまま情報がこぼれ落ち、そこから抜けられなくなったというパターンです。そうすると模擬試験で点が取れないばかりか、定期テストで教科書傍用の問題集からの問題も取りこぼして落ち込んで、ますます勉強が雑になって、、というパターンです。
こうなる前に、安心した気持ちで、こういう本で勉強を進めていって欲しいです。(でも自分で自分をコントロールするのは難しいんですよね。)良い循環に乗れば、易しい問題〜標準的な問題を無理なくこなせて、余力で難問にも落ち着いて(必要に応じて『捨てる』という見極めも)取り組めると思います。
高校・予備校の数学の先生は、受験時代は、かなりの「すご腕」の持ち主だった人が多いせいか(研究職を目指して数学科に進んだとか、数学科出身ではないけど元研究職だったとか、博士課程に進んでいたかも、とか)、受験数学に向かう上での基本である「その人に合った良い見渡しを行い、正しい判断基準を身に付ける。」という点を意外に教えていない気がします。