東京夜空 (ワニマガジンコミックス)
ただのエロではなく、やさしさに溢れた作風をもっています。H本というカテゴリーにはちょっと違うのかもしれませんね。ストーリー重視でおまけにエッチ話がついてくるような感じです。男性側から描いていますが、作者は女性ではないかと思います。でてくる女の子は非常に繊細でかわいいです。相手にあげるやさしさが染みわたりますよ。
夏みかん酢つぱしいまさら純潔など
鈴木しづ子は、今から50年以上前に彗星のように俳壇に登場し、
2冊の句集を残し「失踪」したまま、
いまだに生死もわからない(生きていれば90歳になる)
「伝説の俳人」である。
その2冊の句集「春雷」「指環」が1冊にまとめられた本である。
タイトルの「夏みかん酸つぱし〜」は、しづ子の代表作のひとつ。
この句が象徴するように、
「主観、心情」が思い切り入った句が多い。
俳句はそこにあるものを写生するもの――というホトトギス派の流れがある。
しかし現代俳句はそこから一歩突き抜けたものを模索しているようだ。
そんなときに、しづ子の句集がまとめらたのは、意味のあることだと思う。
帯に椎名林檎の推薦文がある。これがなかなか、いい。
愛でたまへ
梅に芙蓉に
好き好きに
咲くも枯れるも
きみの意志なり
をんなという大自然は、
誰がためともなく
在るべきものかも知れません。
本書の最後に、詩人・正津勉による「鈴木しづ子というひと」という
15ページにわたる一文がある。これが出色です。
コスモスなどやさしく吹けば死なないよ(しづ子)