純粋理性批判 (上) (平凡社ライブラリー (527))
“純粋理性批判”について素晴らしいだの、あれは間違っているだのという考察を述べられるような人間ではないため(序文や第一部門・超越論的感性論などは、解釈本を読めばまだついていけるのですが、第二部門以降はトホホな状態です)この平凡社版の本自体についてだけ書きます。 カント研究者の(本人はこう呼ばれるのがお嫌いなようですが)中島義道氏によるとこの原祐訳は、以前は誤訳が多くあまり薦められない内容だったらしいのですが、門下の渡邊二郎氏によってかなり正確な補ていがなされており、信用できる訳文になったそうです。 確かに訳文以外にも、活字も大きいし読みやすい本だと思います。 第二版で書き改められた部分を上下二段にして違いがはっきり分かるような構成にしているのも(読みやすくはないのですが)いいと思います。 値段が多少張りますが、岩波版よりこちらの方がやはりお薦めだと思います(ただ下巻については、ページ数の少なさから言ってその高さにちょっと閉口するのですが)。
歌鬼2~阿久悠vs.フォーク~
これだけ味のある歌集はめずらしいのではないでしょうか。
歌というのはオリジナルが一番いいに決まっていると思っていたのですが、
個人的にはオリジナルを超えるアレンジや歌声のものばかりです。
原曲では表現されていない音作りもすばらしいし、何より歌手の皆さんの
曲に対する愛情や熱意が伝わってきます。
全体的なアレンジとしては、アコースティックギターの音色が好きな方には、持ってこいだと思います。
一番意表を突かれたのは、渡辺真智子さんの「もしもピアノが弾けたなら」でした。
自己を見つめる (放送大学叢書 6)
放送大学で聴講しておりました。
ラジオでの授業でしたが、授業の内容と先生の語りは
とても素晴らしく45分の授業は、あっという間に終わり
終わった後も深い感銘から、しばらくうっとりとしていた事を思い出します。
人生で経験するであろう事や考えるであろう事を語っていますが
難しい言葉ではなく、容易に語っていますから
読む度に何かを感じ、得る事が出来ると思います。
芸術の哲学 (ちくま学芸文庫)
ピアニストがピアノを弾いているのをみると、いかにも簡単そうに弾くので自分も弾けそうな気がしてくるものです。
それと同じように、この本を読むと、哲学というのは、案外分かりやすいなと思えてしまうほど、この本は分かりやすく、すらすら読めます。
渡邊氏訳の『イデーン』を読んだことがあるかたなら、氏の原文の読みの緻密さと、それを明快な日本語に置き換える才能についてはすでにご存じでしょう。
この本によっても、あらためて渡邊氏のすごさを感じさせられました。
これほどの本がコンパクトで安価な文庫本として手に入るというのはありがたいことです。
渡邊氏には今後も是非とも哲学のあらゆるジャンルについての啓蒙書を書いて頂きたい者です。
腕におぼえあり DVD-BOX
NHKの時代劇ドラマ、テンポの良いものが結構あります。
昔々、「天下御免」とか「早筆右三郎」が大好きでした。
この「腕に覚えあり」も秀逸な作品。 何度見ても面白いと思います。
この番組を見てから藤沢周平氏の原作を読みましたが本も面白いですね。
そしてその面白さを「腕に覚えあり」は非常にうまく描いていると思います。
早くパート2、パート3を出して欲しいです。