彼岸花 [DVD]
小津はあまり好きでない(みな同じで区別つかない)がこの「彼岸花」は大好きで何度も見る。しかし邦画のDVDは何で高いのか?見るなということだろ。久我美子さんは前にも書いたが華族のお嬢様で学習院大学卒の本物?の「お姫様」です。この映画ではバーでアルバイトなさっているが「気品」はかくしようがない。いーなあ。そして「日本一の美女」山本富士子さんの着物姿が素晴らしい。大阪弁だが山本さんは大阪生まれだとか。「関西弁」はテレビのゴミみたいな芸人が喋るので大嫌いだが山本さんだと柔らかい。京都西陣の「舞妓」さんの京都訛りは電話で1度だけお聞きしたが上品で優しい、声の響きも。囁くように話される。1時間も話した。携帯まだなかった。ジョディ・フォスターの声はあまり特徴がないが感情を抑制したクールな感じ。映画では。ところで以前正看護士の女性とお付き合いしていたとき拙宅で新年会。彼女はお正月なので着物を着ていらっしゃった。ナースの白衣も素敵だが着物もいいものだ。それで私が「着物を着るときはパンティは穿かないの?」と訊ねたら「和服用のショーツ穿いてます」ちょっと見せてと炬燵の中で膝を足で触れたらバックで殴られた。軽くだが。医療関係者は大好きだが年が離れ過ぎて結局結ばれなかった。中核派との「戦争」が長すぎた。
いい会社をつくりましょう
経営トップが、信念を持って経営し、その信念がぶれないことで従業員がついてくる。
塚越社長は、肺結核で療養中に多くの書を読んだと書いている、そのとき生きるということに明確な理由付けができ、その理由を守り通していくことで、会社にいる従業員が幸せになっていくのだろう。
“この会社で幸せになれる人を雇用する”という件は、新入社員の採用に多大な時間と責任を感じている塚越社長の信念が表れている。
中小企業経営者のみなさまは、ぜひ、ご一読を! 決して損はしない、そして読みやすい本です。
この本を読んで、“目から鱗”が取れることは間違いありません。
神様のカルテ 2
すでに3本のレビューがあり、本書への評価はおおむねそれらと一致していますので、あえて私がレビューを書く必要はないのかもしれませんが、何らかの感想程度の文章は残しておいたほうがいいと思いました。前作を読んで次回作を待ち望んでいたという理由もあるでしょう。前作よりも厚い(熱い)です。
端的な印象をいえば、「実に良かった、素晴らしかった」ということに尽きるでしょうか。レビュータイトルにした「色鮮やかな人間物語」とは、本書には人間をめぐる実に多様なドラマが、信州長野の情景に重ねながら描かれていることを示しています。「良いこと」も「悪いこと」も、「悲しいこと」も「嬉しいこと」もほとんどすべて。非人間的な労働環境を強いられている主人公の苦闘ぶりは健在で、そこでは時間の流れが非常に速く進んでいます。季節感に満ちた自然描写をふんだんに盛り込むことで時間が緩やかになり、本来の人間的な感覚を辛うじて維持している姿もわれわれの心を打つものがあります。主人公が発する「言葉」もなかなかで、本当にこんな人間が近くにいたらと想像力を逞しくすることもできるでしょう。会話のやり取りも実に新鮮です。
本書は「人間と医師との境界線」が1つの大きなテーマになっています。このテーマが投げかける意味は重く、単純な話ではありません。医師であろうとなかろうとわれわれはこうした問題に無頓着ではいられない気がします。幅広い世代の方に読んでほしい作品です。本書を読んで疲れ果てている人も「もう少しだけ頑張ってみようか」と思えるような気がします。本書はすでに10万部を越える売れ行きらしいのですが、読まれる本というのはやはりきちんとした理由があるのだなとあらためて感じているところです。続編が刊行されたばかりで気が早いのは百も承知なのですが、いつかまた「カルテ3」が読めることを期待したいとおもいます。今回も素敵な物語をどうもありがとう。
朧月夜、夕焼小焼~唱歌の四季
三善晃による日本の民謡・唱歌を編曲した4つの組曲が収録されています。
三善の編曲は単なるハーモニー付けという作業ではなく、原曲との対話の中から生まれる再構築、或いは読み替えという性格を伴っており、その結果原曲を超越したアレンジになることが多いです。それが良いと思えるかどうかは個人の嗜好でしょうが、このような試みが原曲へのオマージュとしてなされているというのは価値のあることだと思います。
最初の「五つの日本民謡」は大変な難曲ですが、合唱団が海外公演を行う際のレパートリーとして定着しており、特に一曲目「阿波踊り」のエネルギッシュな声の発散は聞いていて気持ちのいいものがあります。
「5つのルフラン」は男声合唱、「山田耕作の5つの歌」は女声合唱、「唱歌の四季」は混声合唱と、アルバム全体がバラエティに富んだものになっています。「鉾をおさめて」などは原曲の旋律が引き伸ばされて気が付かないくらいになっていますし、「待ちぼうけ」では場面ごとに大胆で唐突な転調が多用されています。「唱歌の四季」は4つの組曲の中では歌い手にも聞き手にも人気のある曲集ですが、確かに分かりやすくまた歌いやすいと思います。
合唱の晋友会は、小澤征爾との共演などで世界的に有名な実力派合唱団で、同じPHILIPSから出ている「武満徹:明日ハ晴レカナ曇リカナ」が名盤として名高いです。
このアルバムでは合唱団が生来持つドラマティックな歌唱と豪快さが表れていて良いと思います。もちろん唱歌における優しさとか郷愁といった繊細な表現もお手の物なのですけど。
私としては名曲「五つの日本民謡」が収録されているというだけでとても価値のある一枚です。もし素直な編曲で、晋友会の歌う唱歌が聞いてみたいというのであれば、同じくPHILIPSから出ている「荒城の月~混声合唱による日本抒情歌曲集(編曲:林光)」を聞いてみてください。