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旅行者の朝食 (文春文庫)  最初はグルメ本だとばっかり思っていて、「そういえば旅先の朝食だけに焦点をあてたような本ってあまり知らないな」と思って一読。驚愕しました。最初の「卵が先か、鶏が先か」では、おそらくプリマコフの同時通訳で「アブオーヴォ」という単語が訳せずに窮地に陥ったが、なんとかうまくとりつくろった、みたいな経験が、フランクに語られているのが素晴らしい。会議が終わって辞典を調べるとAB OBOはラテン語だったということがわかります。同時通訳者たちの悪夢は《スピーカーがいつギリシャ語やラテン語の慣用句や有名な詩の一節を原文のまま口にするか》(p.12)ということ。これは《日本人が漢文の故事来歴を好むのと同じ》(p.13)なんでしょうね。

 あと、本のタイトルにも採用された『旅行者の朝食』。ロシアンジョークで『旅行者の朝食』がオチになると、なぜかロシアの人たちは抱腹絶倒するのですが、そのワケがわからない…といったあたりからはじまって、それがソ連時代のマズイ缶詰だったということがわかって、たいていはマズいものが多いけけど中にはフォアグラと間違えるほどの鱈肝の缶詰などもあったという思い出につながり、最後は、そうしたものも輸入品に席巻されてしまい、いまでは「旅行者の朝食」も懐かしいと感じる、と終わる流れは、悠揚迫らず、見事なもの。

少年陰陽師 嵐の剣を吹き降ろせ (角川ビーンズ文庫) 新章! ということで気分上昇! はりきって(?)読みはじめたのですが……、
最初、「あれ?」って感じました。なんだか、いつもと文章が違うんですよね。少年陰陽師の文章じゃない。
あとがきでも結城先生が書かれていたように、「暁の誓約」原作を書いている所為(という言い方は微妙ですけど、他に思いつかないので;;)だと思うのですが、私的に物凄く違和感がありました。
結城先生は勿論大好きなのですが、
少年陰陽師」の文章が好きなので……気にならない方はごめんなさい。これで星ひとつ減らしました。

あとはこう、ギャグのテンションが舞い戻ってきた感じでした。
掛け合いの調子も良く、久々の雑鬼達は本当に和みます^^ 敏次も登場して、彼のファンの方は嬉しいことと思いますv 白虎ファンの方も必読!
(どうでもいいのですが、前振りのような形で敏次のお兄さんの話が前にでてきたので、私は勝手に新章は彼の話だと思ってました;; 見事に天狗の話でしたが)

今回は本当にプロローグという感じで、大幅な次巻への繋がりはないのかなぁという印象でした。あくまで大幅な、ですが。
少年陰陽師を読んでいない方も、この章からはじめてみてはどうでしょう?
多少混乱する部分もあると思いますが、すっきりしていて良いかもしれませんよ^^

少年陰陽師 ひらめく欠片に希え (角川ビーンズ文庫) あさぎさんの絵を見たとたんに、わくわくと胸が躍る気持ちになりました。
播磨で修業をつんで三年…一七歳になった昌浩がすばらしくかっこいいです。

vs晴明の情景が緊張感をはらんでいるのに美しい、そう思いました。
ラストがまた意味ありげな終わり方で……すごく気になります。

成長を喜ぶと同時に切ない思いが増える。
そんな思いが胸をよぎります…。

私、文章能力がないものなので…伝わらなかったらごめんなさい。

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