いつも一緒にいた仲間に、恋人ができると、自分が取り残されているような気分になったりします。同じ大学に通っていた友人が、就職を決めてゆくと別々の人格であったことを自覚させられてゆきます。就職する会社が一流の企業であれば、自分も一流になって、別の自分に生まれ変われるような気もしてきます。そういった、人生の節目で、後から気がつくのにその時には単にイラついたりするしかないような、感情が描かれているように思いました。また、中井貴一さん演じる仲手川良雄のキャラが結構好きです。男前でありながら勉強はできず、家の手伝いを良く行い、軽トラで遊びに行く。真面目で人の世話を焼き、好きな女性に尽くしながら、据え膳を食えない。先が見えないというか、ぶきっちょというのでしょうか。このドラマをご覧になる方は、登場人物のどこかに自分を投影してご覧になるのではないでしょうか。
初回放送時,私は高校1年生でした。当時,数人の友人がこの番組を視聴していて,「山崎さんの演技に圧倒された」という話題を毎週土曜日にしていたのを思い出します。私が居住している県では2年後に再放送され、当時受験生だった私に再度深く影響を与えました。「その人間の価値は,入った大学の偏差値とかじゃなくて,どう生きているのかじゃないのか?」という趣旨の竜彦の台詞に,本当に人生観を揺さぶられました。特典映像では,山田氏と山崎氏の対談が興味深かったです。
まず、暴露本だの男性が何人だのというマスコミの酷評による先入観で読んでる人(または、読まずに決め付けてる人)が多いと思う。素直に書いてある通りに読めば、一途で純粋な書き手の人柄が見えてくる。彼女はこの本で何の得にもなってないし、計算して生きてる人は出さない本だと思う。純粋に過去の思い出に深い思い入れがあり、気持ちを整理して他の女性を励ます意味で書いたと思う。
他の方もレビューに書いていたが、「私モテナイからぁ。」と無害な女のフリしたり、いい人ぶったりせずに、潔くイイ女路線を貫いてきた「そのまんま」の生き様を書いてるので同性から叩かれる。都合のいい女でないので一部の男から叩かれる。それだけなのではないか?私は、なんの計算もせずに不器用なまでに自分を貫く彼女の生き方を支持したい。
私は同世代なので、真理子さんのことは今でもキレイだと思うし、世間知らずのお嬢様だからこそ玉置さんとの危険な恋に「小学生のように無防備に」ハマってしまったと思う。DVで大怪我させられながらも玉置さんをかばおうとする健気さはいじらしくも悲しい。聖心出て幸せな結婚もできたのに、玉置さんと出会ったため母親や妻としてでなく、女優として女として生きることになったのだろう。
玉置さんも、私はずーっとファンだったのでかばいたくなる。この人の魅力は、甘くセクシーな歌声と、長身で鋼のようなスリムな体、危険な目つきだと思う。真理子さんと交際してた20代半ばから後半の玉置さんは、オスのフェロモンがあふれかえり魅力的だった。でも、こういう男ほどDVに走りやすいものだ。私の父がそうだったので。(涙)性と暴力をつかさどる脳の部位は近いところにあるそうだ。玉置さんは、若く多忙で睡眠も満足に取れない上に仕事に忙殺されていたので、自分で自分が抑えられず破滅に向かったと思う。そして、誰よりも愛してる真理子さんを傷つけたのと同じくらい、自分も傷ついていたと思うのだ。真理子さんは、彼が作品を生み出すミューズ(女神)だったと思う。事実、この頃の作品は傑作が多く愛の不安定さと苦悩で、聞いていると切なさで息苦しくなる。悩むほどに美しく魅力的だった天才玉置浩二の姿がある。今の温厚そうな玉置さんもいいけど、この頃の尖ったシャープな玉置さんは、今見ても、ため息が出るほど、素敵。→http://www.youtube.com/watch?v=-oqAtBtAFZQ&feature=related
こっちも見てね。http://www.youtube.com/v/lDTpV6odUWo&hl=ja
ミアスのCMで、上にいる美女に向かって階段を駆け上がる玉置さんが出てきますが、10年にも及ぶ長い下積み生活から一気に駆け上がり、トレンディー女優をゲットした玉置さんの姿そのものです。地上に出たセミのような状態で、短い時間に人生を謳歌し鳴き尽していたのでは?
他のパートナーとなら幸福な家庭もあったろうが、この二人の組み合わせは、傷つけあう男と女でしかありえなかったのだと思う。憶測でしかないが、玉置さんの離婚の原因の2回は真理子さんが影を落としてると思う。致命傷にもなるほどの運命の女=ファムファタルになりうる女優さんは日本に少ない。大成して欲しい。そして、茶飲み友達でもいいから玉置さんとも仲良くして欲しい。
名作シリーズの最終巻です。今度は、仲手川良雄を巡って二人の女性、陽子と晴枝が争うかに見えたのですが・・・。看護婦をやめ、水商売に入って多くの男たちと接触した晴枝。恋人と煮え切れない関係を続ける陽子。ふと傍に、いつも優しくて思いやりのある良雄がいた。恋の糸は絡んでゆくかと思わせたのですが、時間がなかったのでしょうか。最後は端折ったように印象も受けました。最後の山田太一さんのメッセージは熱い気持ちで人を愛せ、ということだったかと思います。このドラマを見て学生時代の仲間を懐かしく思い出しました。時々見返したい作品です。
主人公達と同世代のせいもあり、当時からかなり入れ込んで見ていました。山田太一脚本の独特の台詞まわしが良かったですよね!今見ても全然古さを感じさせることなく、登場人物のひたむきさが伝わってくるドラマです。モラルは現代とずいぶん違っているけど、今の若者にも是非見て欲しいな。
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