光源氏は須磨・明石の流離の日々が終わり都にもどった。再び輝かしい道は開けていたが、騒動は起こる。大堰(嵐山)に連れてきている明石方から姫君を引き離し、二条院本邸の本妻紫上に引き取らせ養わせる。お互いにこの方が将来の幸せのためになると納得させようとする源氏に対して、運命に弄ばれる女たちを愛おしむように描いている。悩み多き女たちの心の襞まで伝わってくる線描に魅せられる(雅)
私がはじめて読んだ源氏物語の劇画である。登場する女君達はステレオタイプな解釈ではなく、独自の視点で捉えられており、全体に女の感情を色濃く絡めてある。細かな部分に平安の情緒と古きよき劇画の風情がほどよく漂い懐かしい感じもする。作者とお話した機会に六条御息所がチャーミングで好きだと仰っていらっしゃいましたので、確かにどの加工作品より好意的に描かれている。
ほんとおもしろい。買ってよかった!昔の女性はこんな生活、恋愛をしていたのね!とビックリしたり、納得したり、疑問をもったりして、読み込んでしまいました。なんで自由恋愛をそんなに禁止するのかなと、歴史に興味を持ったり。ストーリーと牧美也子さんの絵が異常にマッチしている!小六の息子も読んでいた。彼の恋愛観の形成にどんな影響を与えるかな~
私は、この中では表題作となっている「口紅水仙」が一番好きです。
さすが、モントリオール国際漫画賞一位を獲得した作品だと思います。
秀逸なのは、審査員達も絶賛したという、暁子の姿が蛍の光の中で浮かび上がる、
夢幻的なシーンです。
もう、現代の漫画の中では、ほとんど見られなくなった、
何ともいえない情調が、出ていると思います。話の内容自体も、聖性と魔性を併せ持った
魚座の女性である暁子が、半ば無自覚に男達を翻弄する、読み応えのある内容と
なっていると思います。私は、この星座の女シリーズでは、魚座の女性の話に一番
興味を持っていました。
まさに期待を裏切らない内容となっていました。妖女というと、
蠍座の女性にも、そういうイメージがありますが、蠍座の女性はどこまでも自分の行動には、
きちんと自覚がありそうな感じなので、私は妖女というと、魚座の女性というイメージを持っています。
「赤い失速」は、自分の不安から、どんどん落とし穴にはまっていく人妻の様子が、凄くリアリティーがあるような感じで、最後までドキドキしながら読みました。
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