恐らく、今年の日本映画のベスト1の有力候補になるであろう「天然コケッコー」。そのなんとも瑞々しい素晴らしさに満ちた傑作を放った山下敦弘の、それとはまるで毛色が異なるものの、しかしこちらも中々に捨て難い独特の魅力を持った作品。
ここで登場するのは、バブルが弾けた90年代、しかしバブルの恩恵など程遠く、従って以前とまるで変わらないよう思えるある田舎町でのグダグダとして自堕落な日常を過ごす人々であり、その中で鬱屈して満たされない閉塞感から次第に狂気を蓄積させていく者たちの危なくも哀しき物語だ。ひき逃げ、殺人、淫行、色情狂、痴呆、、、極めて個性的なキャラクターたちが織り成す露悪的な個々のエピソードは、意外なほどに嫌悪感なしで観られ、そのシュールとも言えるリズム&タッチは妙にそそられる。特に、他の町から流れてきた木村祐一と川越美和の存在感は抜群。最近はすっかりそのダメさぶりと卑屈さが板についた三浦友和も良い味を出している。
唐突でこちらの予測に肩透かしを食らわすようなラストは、反ってインパクトが強い。正に心の奥底に流れる想いを噴出させることもなく情けなく日常を生きている者たちへの、ある意味共感を感じさせる。
“音”への並々ならぬこだわりも感じさせる今作、日本映画ファンなら一見の価値ありと言っておきたい。
75年~88年のカネボウ・キャンペーンソングだけをギッシリ集めたステキな企画盤。 ブックレット裏には収録曲のシングル盤ジャケットをカラーで掲載し、歌詞カード中にも当時のイメージガールの名前とキャッチフレーズを表記するなど、痒いところに手が届く構成である。 単に懐かしのCMソング集というだけでなく、70~80年代ヒットソングのコンピレーション・アルバムとしても楽しめるし、当時隆盛だったTVの歌謡番組も思い出される所が良い。デジタル・リマスタリングにより音質も大変良くなっている。 郷ひろみ、松田聖子、吉川晃司など、今も現役で活躍している歌手もいれば、引退、解散などで音楽活動を休止したアーティストもあり、通して聴いていると懐かしさと共に、ちょっとした切なさがこみ上げてくる。 ともあれ現在、演歌以外は総て《 J-POPS 》という呼び名で一括りにされている日本の音楽シーンが、歌謡曲、フォーク、ニューミュージック、ロック、テクノなどと明確に色分けされていた時代のサウンドがバラエティ豊かに堪能できる1枚。これらカネボウのCMをリアルタイムで見ていた30代前後の人にはたまらないアルバムだろう。お薦めです!
いつも春先になると化粧品のCMソングを楽しみにしていました。 1月くらいから春のテーマの化粧品が、春を思わせる曲と映像でCMが流れる。 12月の冬至を過ぎ1月になって日差しの傾きが少しだけ高くなって、 春が近いことを感じさせる。そんな季節の移り変わりをいつも倍増させて くれるのは化粧品のCMソングでした。 ・・・といいながら、りりぃさんの「オレンジ村から春へ」は春のCMソング だと思いますが浮き輪につかまり水へ飛び込む映像だったような・・・。 尾崎亜美さんの「マイピュアレディ」はこれも春のCMソングだったと 思いますが小林麻美さんが競技場のトラック、スタートラインでダッシュ、 走る映像だったような・・・。 さだかではありませんが・・・。 出来ればDVDで映像入りで作ってくれないかな・・・。
全体的にしっとり歌いあげる大人っぽい曲が多いなか、
Coccoの「ひよこぶたのテーマPART2」は子供が喜びそうなメロディーと愉快なアニメーションで良かった。
思わず口ずさんでしまった。
それとピチカート・ファイヴの「メッセージ・ソング」は名曲だと思う。
PVよりこっちのアニメーション版の方が断然好きだ。素晴らしい。
ここのレビューを読んでいて思いました。
多くの方の興味が「BOOWY解散の真相」と「山下久美子との離婚、今井美樹との再婚」の
2箇所に絞られています。
しかし当事者に本を書かせればやや美化するのは当然ではないかと思います。ゴシップ誌よろしく自分のことを悪く書ける人間がどこにいるのでしょうか?
無意識のうちに自分の記憶を美化するのは自然なことです。
この本の真髄は上記のゴシップ性の強い部分ではなく、布袋さんの生い立ちや
ギターとの出会い、下積み時代の苦労や、音楽や家族やファンへの思いといった部分ではないかと思います。
「秘密」という思わせぶりなタイトルが読者に先入観をあたえ、読みながら常に上記の
真相がいつ出てくるのかと期待させてしまい、結果として他の部分を色あせさせてしまっている気がします。
個人的には自分にも幼い子供がいるので、娘への想いについて書いてあるところは結構感動しました。
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