万能鑑定士Qの推理劇I (角川文庫)で登場した浅倉絢奈が主人公となる、Qシリーズ初の姉妹作です。 推理劇Iを先に読んだ方がベターですが、こちらから読んでも問題ありません。
ロジカル・シンキングを用いる凜田莉子に対し、ラテラル・シンキングを用いる浅倉絢奈、というツインヒロインの作りになっています。 ただし、今作の主人公はあくまでも浅倉絢奈で、凜田莉子もそれなりに登場しますが「事件簿・推理劇」ほど登場・活躍する訳ではありません。 その点で言えば、生粋の凜田莉子ファンが100%満足できるかどうかは不明です。
しかし、莉子が感じてきた「ロジカル・シンキングのある種の限界」をラテラル・シンキングが解決するという気持ちよさ、ラテラル・シンキングに親しみのない既存読者に対するわかりやすい解説、莉子同様に秀才ではなかった絢奈の苦悩や軌跡など、莉子ファンがかつて通った道をもう一度歩むことが出来るので、成長しきってしまった莉子では味わえない楽しさがあります。 私自身も莉子が主役でないことに対する不安はありましたが、文句なしで楽しめました。
モナ・リザさんが来日する…という、エピでした。
しかも、「震災」の復興という名目で…
さすがに、阪神淡路大震災、中越沖地震…じゃないですよね??
こっそり一行加えるというトリック?
めちゃめちゃ「最近」書かれた作品なんですね!
そういえば、先日(5巻)、喜屋武先生とパリに行った時、
偽物チックなものが、出てきましたが、
それが偽物だったことがしっかり裏づけされることになります。
…私が見ても、きっと感動しきりで、なんとも思わないんだろうなぁ…
さて、来日が決まり、日本から学芸員を選出することとなり、
案の定ですが、莉子が選ばれる。
そして、本物と贋作を見抜く力を学び、いざ本番へ…
しかし、モナ・リザさんの魔力に取りつかれた莉子は、鑑定能力を失ってしまった…
そこまで根深いトリックが仕込まれていたとは思いませんでした。
少なくともあの人は味方でしょう???と思ったのに。
そして、収監中のあの方とお供の2人も登場…
正直、サービスですね〜〜〜。
結局、最初のエピが重要だったと…
小笠原さんと一緒に解決することがずいぶん減って、残念だと思っていましたが、
やはり、いざとなると小笠原さんがいい味、出してくれます。
莉子の好感度なところは、
お金持ちじゃないってところかな。
一応、お店は構えたものの、儲かっているわけじゃないみたい。
(お金持ちだと、思い切り、僻みます…)
人が死なないミステリー…犯人は大抵、詐欺師。
詐欺も立派な犯罪ですが。
詐欺だからこそ、種明かしが面白いですね。
最近の莉子ちゃんシリーズは短編となり、 正直、長編より、こっちのほうが好きかもしれません。
人が死なず、知恵のつく物語だから、基本的に詐欺犯罪です。 人が死なない分、長編にするには、サブの話が長くなったりして、 ややつらいこともあったけれど、 短編だからこそ、スピード感が落ちず、楽しめます。
このシリーズ(Qとα)はすべて読破していますが、 今回初めてトリックが見抜けたのでうれしかったです。 (切手のお話です)
次回はαシリーズだそうで、 莉子ちゃんより、アヤナちゃんのほうが、何か好きですね。 小笠原さんとの恋愛も進むようで進まない、のより、 ナオキさんとお付き合いしているアヤナちゃんの元気いっぱい感が好感が持てるというか。
映画化もこっそり楽しみにしています。
一旦区切りとされる作品、原点回帰して、初期作のように
クライアントが相談に訪ねてきて依頼に応えて謎とくパターンでした。
やっぱりこのシリーズは推理小説だなと唸らされました。
メイントリックはよく読んでいれば冒頭の開け方で推理できます。
騙す相手は常に1人か2人なので可能になります。ロジックとしては
台湾の漢字の間違い等と違い細かく作りこんであります。
紙の裏表鑑定については画用紙で試したら本当に同じ事が出来ました。
履歴書の抽選はトランプ等で本当にやってみると自分でもびっくりします。
改めてこのノベルは「面白くて知恵がつく、人の死なないミステリ」だなと
思いました。
主人公にキャラ萌えしてそっちの展開だけを期待すると楽しめないかもしれません。
最初にシリーズ開始時にそうであったように、ライトな推理小説が好きな人向けです。
前作でその不気味な存在を匂わせた正体不明の「ミドリの猿」を名乗り、日本で続発するテロ事件の謎をめぐる
「千里眼」の異名を持つ有名カウンセラーと、F16パイロットでもある女性自衛官の活躍を描く。
松岡圭祐 原作のベストセラー小説の映画化「催眠」に続く、小説「千里眼」の続編にあたるサイコスリラー。
「千里眼」シリーズは、映画化当時でも、2,3作出ていましたが、その後、現在も刊行を続けており、ヒットシリーズになっています。
ストーリー自体は「催眠」に直接関係しないので、本作だけ見ても楽しめます。
最も印象的なのが、冒頭から現れる東京湾観音(千葉県富津に実在する巨大な観音像)の効果的な使われ方。
東京湾観音に通う人々の群れが幻想的です。
米軍ミサイル制御ルームは日本映画のセットで小規模作品にしては豪華??
そして、クライマックスでいきなりカンフー対決になる展開。
日本映画では当時としてはまだまだ珍しかった?ワイヤー・アクションに水野美紀が挑戦、長身が映えます。
元刑事役で、稲葉敏郎が出て水野美紀と共演するのは「踊る大捜査線」のパロディ?
なお、原作小説ではクライマックスは、主人公岬と敵のF15による空中戦!ですがさすがにそれは別の方法に置きかえられています。
また、催眠・暗示・カウンセリングに関する専門知識などが興味深いのですが、原作にはある説明がない分、少しわかりにくいところもあります。
(高電圧線の鉄塔の下での親子のシルエットの理由などは、原作には書かれています。)
描き込みの足りなさや、話のスケールの大きさに予算が追いつかないところもあり、
突っ込みどころもたくさんありますが、当時の他の日本映画には無い「何か」があって、なぜか好きな映画です。
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