アムステルダムで謎の落下死を遂げたチェット最晩年のライブ。エルビスコステロとのSending the cloudsなどの曲もギグっており、必見の一枚です。
映画がよみがえります。
SAC好きな方はそろえてますよね?
最近は、ルース・ブラウン、リナ・ホーン、エスター・フィリップス…と言った姐御系?ヴォーカルに夢中な俺だが、 今回のシモン姐さんにもゾッコン惚れ込んだ!
静かに、感情を噛み殺すかのように、ドスの効いた低音ヴォイスが下腹を直撃する。 それでいて、決して押し付けがましくなく"潔さ"を醸し出すのが姐御系の共通点なのだ。 慈愛に満ちた歌声に、グッと熱いものが込み上げて来る。
リズムのノリが抜群なピアノがまたいい。 アップテンポでの、それ自体が意思を持っているかのような明朗活発な鍵盤は男勝りだ。 しかし一転、スローナンバーになると、時折ふっと顔を覗かせる悲しくも温か味を湛えた旋律に、またまたグッと来るのだった。
ま、それはともかく、今回の国内モノラル音源は、近年の流行である高音圧というお約束ではあるが、 某大手レーベルの千円モノラル復刻CDとは比較にならない程に、"前後"にちゃんと距離感を再現してくれていると思う。 ※いつもはモノラル音源のCD化には懐疑的な俺でも、今回に関しては難癖つけるスキはなかったw。
因みに、この音源、PHOENIX盤CD や、GAMBIT盤CD や、Charly Snapper盤CD では、 ステレオ音源でCD復刻されているので、聴き比べしてみるのも面白いですぞ。
で、いいかげんで適当な事を書くと、コアなファンの方にお叱りを受けるのを承知の上で… 俺の場合、今回のモノラルは「生スタジオでのデモ音源」、従来のステレオは「メンテ後の商業音源」…と勝手にこじつけて愉しんでます。
■ Nina Simone(p,vo) Jimmy Bond(b) Albert Heath(d) 1957年 ニューヨーク録音
17で出会ってから三十数年、全く飽きずに聴き続け、何かあれば他人に勧めるか、プレゼントしている。ピアノの音も、歌声も、選曲も、一言で言えば神々しい。
ニーナ・シモンのRCA在籍期というと名盤揃いですが、それを適当に見つくろったボックスセットです。「ベストの5枚をチョイスしよう」とか「ニーナの入門編になるような5枚を」というような意気込みは感じられないので、その点はご注意ください。ただ、各アルバムのクオリティを考えれば、当然五つ星です。
ラインナップ
1『'Nuff Said (ライブ盤)』RCA 1968年
2『To Love Somebody』RCA 1969年
3『Black Gold (ライブ盤)』RCA 1970年
4『It Is Finished? (ライブ盤)』RCA 1972年
5『Nina Simone And Piano!』RCA 1969年
3と4を入れるなら『Emergency Ward!』(RCA 1972年)を入れたほうがいいとか、ニーナのファンならみんな持ってる5をなんでわざわざ入れたのかとか、いろいろ思うことはありますが、これは福袋なのだと納得しましょう。福袋にはとびきり素晴らしい作品も入っています。私のオススメは以下。
1-6."Why? (The King Of Love Is Dead)"。正式な録音はこれ限り。ニーナのバンドのベーシストであるジーン・テイラーの名曲です。
2-6."I Shall Be Released"。ボブ・ディランの曲。最初から彼女の曲だったんじゃないのか、というくらいハマってます。
4-3."Funkier Than A Mosquito's Tweeter"。彼女の全録音でもっともファンキー。ぶち切れたシャウトと驚異的な打楽器。
とまぁ、いろいろ楽しめます。簡素な紙ジャケ(いい感じ)だけで解説の類はいっさい入っていないので、その分安い。ニーナのコンプリートを目指す人や、とりあえずニーナの曲を色々聴きたい人に向いています。
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