ていねいな包装で、届きました。有難うございました。
少年ジャンプで9週打ち切りという結果に終わってしまった漫画ですが、掲載誌を変えていればもしかしたら傑作と言われていたかも。 絵柄も話も少年向きではないし。 マイナーな漫画を好む層が買いそうな雑誌に載せればまた打ち切りにはならなかったかもしれません。 人間の黒い部分の描写はいいと思うので、機会があればリライトしてほしい。
管理会計をどう経営に生かすかを漫画とストーリ仕立てで、非常に分かりやすく紹介した良書。 小説版より良いかも?
決算書を見て利益を見るだけでは、儲かっているかどうかを判断する事は出来ない。利益は決して良いものだけでなく、質の悪い利益が存在している。質の悪い利益とは、本書の言葉を借りるならキャッシュフローの裏付けがない利益である。
つまり、キャッシュフローに着目して経営をしろというのが本書のコンセプトであろう。
一般的に(営業)キャッシュフローを改善するためには、以下の4つが考えられる。
(1)利益を増やす。 (2)回収条件を早くする (3)支払い条件を遅くする (4)そして、在庫を減らす
本書は主に(4)に重点が置かれていた。 具体的には、生産工程と販売行程で生じた在庫を以下の要領で減らすストーリが出てくる。 たかがこれだけと思うかもしれないが、在庫を半分に減らすだけで経営へのインパクトは絶大だ。
(1)小ロット生産に切り替え、各工程での仕掛品の滞留を減らした。 (2)多品種大量生産を改め、売れ筋商品を見極めて在庫を減らした。 (3)受注から納品までのリードタイムを短くする。
参考になるのは、この改善策のきっかけにもなった経営情報だった。 実務としても、これらの経営情報を把握しておく事は非常に重要そうだ。 ''1. 商品別に算出した現金増加力=粗利率(=売上/売上原価)×回転数(=売上原価/在庫)=売上/在庫 ''2. 月末の在庫を参考にするのではなく、月の延べ在庫を参考にする。
なお、すでに読んでいる人も多いだろうが、著書も含めてこれまでの「餃子屋と高級フレンチでは、どちらが儲かるか」「美容院と1000円カットでは、どちらが儲かるか」にはおそらく元ネタがある。 それは、TOC(Theory of Constraints:制約理論)の提唱者であるエリヤフ・M・ゴールドラット博士が著した「ザ・ゴール」から「ザ・クリスタルボール」までのTOCシリーズである。 こちらも漫画ではないが小説仕立てとなっているため、非常に分かりやすい。 そして、著書では深く取り扱っていない、売上と在庫のジレンマや、具体的な改善手順までが書かれているので、興味がある方は是非読んで見て欲しい。
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