このCDを購入した理由は実はフォークルを聞くためではなく、“悲しき天使”を聞くのを目的だったのです。ですがキタヤマ・オ・サム氏の“あの時のぼくは”を始めて聞いて(実は彼と同世代)、胸にジンとこみ上げて来る物がありました。 これは歌ではありません。彼の独白とでも言ったらいいのでしょうか。しかも関西弁での独白です。 この類の経験は、状況こそ異なっても、誰もが青春時代に経験するほろ苦い思い出ではないでしょうか。独白の間に漏れるキタヤマ・オ・サム氏のためいきは彼の真摯な気持ちの表れでしょう。 “幼なじみ”の様な突然ばったり会って意気投合してハッピーエンドという訳ではなく、映画“卒業”の様なドラマチックなエンデングでもなく、最後にお互いの気持ちが通じた時には!もう遅かったという何ともはや切なくやるせないエンデングです。その切ないエンデングをキタヤマ・オ・サム氏は自嘲的に笑い、しかし最後に“あーあはー”というやりきれないため息の中にせつなさを一層募らせています。その気持ちは共感できます。 青春時代のほろ苦い気持ちを彷彿とさせるキタヤマ・オ・サム氏ならではの名独白です。 ピエロのサムにある曲だそうで、オリジナルは20番まであるらしいですが、この独白を是非最後まで聞いてみたいです。 購入した時点ではフォークルの部分は期待していなかったのですが、期待を裏切らなかったCDでした。
北山修氏の歌詞の魅力は、難しい言葉がないこと、辞書をひかないと分からないような歌詞がないことです。簡単に言えば、いわゆる“詩人”のような言葉を使わずに、世界を作り上げているところです。知人が、北山修氏を評して、“故郷”“丘”“初恋”があれば、歌ができると言っていましたが、このアルバムを聞けば、この言葉が正しいことが理解できると思います。
ちなみに、本アルバム中の「花嫁」「あの素晴しい愛をもう一度」「さらば恋人」は、いずれも1971年に発表され、なおかつヒットしています。
こういった歌詞を書く作詞家を、ほかに知りません。北山修氏の詞を聞いて以来、私の中では、北山氏は作詞家としては常にナンバー1です。
『青年は荒野をめざす』のオーケストラ・バージョン…確か、端田則彦がメインで歌っていた。彼らのTV「メイトセブン」最後の”今月の唄”
何故あのバージョンで出なかったのか不思議である。あーCD化してほしい…
パンツェッタ・ジローラモさんと奥様の貴久子さんの共著。お料理のレシピだけでなく、料理の素材や生産者のお話、ジローさんのエッセイ、ご夫婦の写真が楽しめる一冊です。自然体で写っているお二人はとても仲良く楽しそう。レシピをたくさん、という方には物足りないかもしれませんが、読みごたえ、見ごたえのある料理本です。なお、レシピの中には、貴久子さんの他の料理本に載っているものや料理教室で紹介されたものがありますので、レシピが気になる方は、目次で確認してから購入する方がベターです。
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