若かった頃の小田さんの声はそれはもう素晴らしかった。「さよなら」は確かにオリジナルの方がはるかに良いと思う。
私も初めて「さよなら」をコンサート会場で聴いたときの「澄んだ透明感のある綺麗な高音の声」の感激が忘れられない。
オフコースの初期の名曲「秋の気配」もオリジナルの方が断然良い。
しかし、このアルバムは20-30代の小田さんのものではなく、50代半ばになった小田和正のものとして聴くものである。
発売されて1年半ほど経つが、毎日聴いていて、「これが小田さんなんだ」と小田ファンの私などはつくづく思う。
何度も何度も聴いてみてください。このアルバムが単なるベストアルバムで無いことが分かりますから。
最新ヒット(去年だけど)の「キラキラ」に始まり、若き頃の秀曲「秋の気配」、オフコースの地位を不動のものにした「さよなら」、心に響く「言葉にできない」、ドラマ主題歌の小田さんになった「ラブストーリー~」、そして最後を、聴かせる「woh woh」で終わらせているところに、小田さんの歴史とこのアルバムへの想いが感じられます。
「さよなら」や「秋の気配」がオリジナルより劣ることも、小田さんの歴史を知るファンには嬉しいはず。
過去にとらわれている人にはお薦め出来ないが(オリジナルだけ聴いていれば良いので)、小田さんを好きな人には、持っていて嬉しすぎる1枚である。