若者のすべて [DVD]
ヴィスコンティと言えば、どうしても最晩年のデカダン5部作品が日本では有名なのですが、私にとってのベストはやっぱりこれー(この作品が理解できたことによって初めて他の彼の作品も分かるようになったんです)。ある時、ヴィスコンティに関する本を読んでいて、彼が死ぬまで最も愛していた作品が、これと”揺れる大地”であったと言うことを知って、やっぱり、とおもったんです。何と言っても、他の作品に比べると、その気迫の入り方が違いますもんね。
最晩年の彼の作品は、年齢のせいもあるんでしょうが、やや悲壮感が過ぎると思うのです. ”若者のすべて”の場合、希望と絶望、滅び行くものと未来を生きるものの両方に存在感があって、その拮抗がすさまじいテンションのドラマを生み出していると思います。やはり必見の作品です。
ただし.私自身も3回劇場に見にいってやっと理解できた、と言うくらいに集中力を要求する作品なので、自宅でDVDで鑑賞する場合は、どうか電話もとらず、お菓子も食べず、じっくりと見て下さい。
Psycho Jukebox
アルバムのジャケットとタイトル通りの最高なロックンロール・アルバムだと思います。
フラテリスも勿論好きなのですが、私自身は正直こちらのソロ・アルバムの方は好きですね。
荒削りではあるものの、一曲一曲がカッコイイ完成度の高いロック・アルバムだと思います。
来日してほしいアーティストのひとりです。ライヴが観たいです。
若者のすべて【HDニューマスター版】 [DVD]
ずっと以前に初見した時は、この映画の良さがわからなかった。
歳月を経て見直すと、南イタリアの大家族が家長を失った後、長男を頼って都会ミラノへ北上してくる状況が痛いほどよくわかった。
南イタリアの暮らしは農地改革後に与えられた荒涼とした土地だけ。食べ盛りの息子達ばかりの暮らしは貧しい。
南イタリア地方の家族、親子、兄弟の絆は、北イタリア地方に比べてものすごく強い。
母は、息子達がミラノで定職に就くこと、ボクシングで成功して豊かな暮らしをする夢にかけて村の生活を捨てた。
長男のフィアンセ、ジネッタ役のC・カルディナーレが美しい。
また、主役のロッコを演じたA・ドロンの美しさが切なすぎた。
やがて運命の女、ナディア(A・ジラルド)が、純朴な兄弟達の人生を狂わせる。
ナディア自身もクレモナから、ミラノに夢を求めてやってきたが、身を持ち崩した哀れな女。
ナディア役のA・ジラルドが、好演している。
ロッコの兄、シモーネが、ナディアに熱をあげてから、どんどん人生の歯車が狂っていく。
ロッコが、兵役を終えて再会したナディアに、「自分は故郷が恋しい」「君もかわいそうだ」と語る。
ナディアと心を通わせる、いいシーンだった。
成功したロッコがパーティーの晩に弟に語った「家の礎を築くためには、犠牲(いけにえ)が必要だ」
という台詞が印象的。
また、四男のチーロが、ロッコを聖人にたとえて「寛容」なだけでは、わが身を守れず人は救えないという言葉に心打たれた。
赦しや、寛容は、ある意味傲慢なのかもしれない。
ミラノの大聖堂の屋根の上で、ロッコとナディアが話すシーンがあり、ミラノの大聖堂はヴィスコンティ監督の直系の先祖ではないが、ミラノ公のヴィスコンティが建立したもの。
音楽はN・ロータ。
若者特有の純粋さ、潔癖感、残酷さ、人生の厳しさ、南北イタリアの経済格差、大都会の社会問題etc、あらゆる主題が詰まっている秀作だと思う。★4・5
Here We Stand
前作コステロはとてもいいノリと口ずさんでしまうナンバーが多かった。このアルバムはいいノリと重めのギターサウンドのナンバーが多い。個人的にはどちらもいい。今後もっと評価されてもいいアルバムではないでしょうか?次が楽しみ。