ピカ☆ンチ LIFE IS HARD だけど HAPPY 通常版 [DVD]
好きな堤幸彦監督作品だから購入したが、サイコーに笑える傑作。堤映画のエンターテインメントが存分に満喫できる。団地内放送のいかれたDJ親父以外には普通の高校生シュン(相葉雅紀)、金持ち棟出身だが誰にもわけへだけなく付き合ういいやつボン(松本潤)、シュンと同じ普通棟出身で普通の高校生だが、自殺現場目撃率が高い運の悪いやつハル(大野智)、最下層ヒエラルキー貧乏棟出身で初めて八塩にスケボーを持ち込んだ八塩のフランシスコ・ザビエル=タクマ(二宮和也)、元同級生で原チャリ暴走族鮫洲一家の総長チュウ(櫻井翔)、(以上開始時の相葉雅紀のナレーションより)の5人のちょっと変な青春ストーリ。この5人が高校生らしいいたずら(?)もするのだが、確かにこの年代でしかできないと思う。嵐という旬の素材を生かしきっている。堤作品は誰でも知っているがそんな使い方をしないというミスマッチな演出で楽しませてくれる。例えばプリンにしょうゆをかけた時にウニの味がするようなそんなちょっと意外な楽しさ(?)がある。原宿ナンパでシュンが一目ぼれする女の子のCGの画面効果など、堤作品らしい演出が随所に見られ笑える。またロケ好きな堤監督は、地方ロケの時にちょっと変な方言を使って、独特の雰囲気でドラマにアクセントをつけるのが常套手段だが、ここでも全69棟のマンモス団地に日本古来の島国根性を持ち込んで、都内なのにローカルな雰囲気で笑わしてくれる。特典映像のメーキングにまったく関係ない字幕がふってあるのもいかにも堤作品らしく楽しませてくれる。
てくてく歩く道を行く♪で始まる劇中歌の「道」はこの映画のテーマを象徴しているが、なじみやすいメロディのためつい覚えて口ずさんでしまう。堤ファンには絶対お勧め、しょうゆプリンに感動した人にもお勧めの映画。
SWITCH vol.28 No.3(スイッチ2010年3月号)特集:東京事変[運動的音楽論]
シャネルを着こなし、フェンシングの剣をもった林檎さんが素敵で
アルバム「スポーツ」の製作中の林檎さんの姿の描写や
メンバー全員分のインタビューもあり
内容がかなり濃いものになっているので
事変のファンの方なら購入して損はないと思います。
また、林檎さんが描かれた大変可愛らしい絵が掲載されていたのも
個人的にとても嬉しかったです。
2046 [DVD]
これまでカーウァイ監督の作品を観たことがない人には、ストーリー的に「よくわからん」と評価が下されてしまう作品かもしれない。客観的に観ると。
しかし、カーウァイ監督のファンで、彼の過去の作品に陶酔したことがある人には、とにかく涙物のたまらない「要素」が随所にちりばめられた映画なのである。
トニー演じる主人公は、名前と容姿は「花様年華」のチャウそのままで、「花様年華」の続編的作品であるというのは、早くからわかっていた。
でも、それだけじゃなかったんだ。「欲望の翼」のルル(ミミ)が出てきて、同じ「パーフィディア」という曲が流れた時には、「もう、反則でしょう、これ・・・」って感じで、泣きそうになってしまった。
続編的映画とはいっても「2046」の中のチャウは、「花様年華」の
チャウとは明らかに違うキャラである。
刹那的で、一つの場所(女性)には安住できないその姿は、「欲望の翼」でレスリーが演じたヨディ、延いては「ブエノスアイレス」のウィンの姿を彷彿とさせる。
フェイ・ウォンがトニーの執筆活動を手伝うシーンは、「花様年華」のマギー&トニーに重なるが、同時に「恋する惑星」の中のフェイ&トニー、その後の2人・・・っていうふうにも思えてくる。(飛躍しすぎかな!)
過去の女性を忘れられず、ずっと思い続けている姿は「楽園の瑕」の
西毒の姿ではないか!(これも飛躍しすぎ?)
ラスト、息も詰まるような、コン・リーとの長ーいキスは、「花様年華」のラスト、「木の穴に秘密を埋める」シーンそのものだ。そういった「要素」を感じるたびに、胸が震え、感傷的な音楽もあいまって、観終わったあとも、何度かため息をついてしまった。
この作品について、よくわからなかった、と思った方は、
是非「欲望の翼」「花様年華」だけでも観たうえで、もう一度
観てください。きっと印象が変わると思います!