響きの科楽
今、この瞬間、いったいどのような音に囲まれているかを考えてみてほしい。物音一つしない部屋にいると感じたとしても、耳をすませば遠くからは冷蔵庫のモーターの音が聞こえているかもしれないし、しばらくすると自動車の走行音が聞こえてくるかもしれない。また、人によっては音楽を聴きながら、楽しいひと時をすごしているのかもしれない。
雑音のようなものでも、名曲と言われるような音楽においても、物理現象としては空気の振動が鼓膜に届いているにすぎない、それなら、ただの雑音と音楽を分け隔てているものは何なのか?本書はその決定的要因である”響き”について、科学的に考察した一冊である。
◆本書の目次
1章 音楽とはいったい何なのか?
2章 絶対音感とは何か?わたしにもある?
3章 音と雑音
4章 木琴とサクセフォーン
5章 楽器の話
6章 どれくらい大きいと大きいのか?
7章 和声と不協和音
8章 音階の比較考察
9章 自身にあふれた長調と情緒的な短調
10章 リズム
11章 音楽を作る
12章 音楽を聴く
音楽の調べに没頭していると全く気がつかないような、奇妙な現象のオンパレードである。たとえば、我々が音楽を聴いている時のこと。どの楽器が鳴っているかについての情報の多くは、音そのものよりも、それぞれの音が始まる直前に楽器が立てる雑音から得られているという。このような「過渡現象」とも呼ばれる、立ち上がりの雑音を認識する能力は、弓矢のビューンという音を素早く察知しなければならないサバイバル環境の中で培われてきたのだ。
また、周波数にまつわる話も興味深い。110Hz、220Hz、330Hz、440Hz・・・という、110Hzの倍数の音色を同時に鳴らしても、私たちの脳は全体的な周波数を110Hzとして認識する。さらにここから110Hzの音色を消したとしても、220Hz以降の周波数を重ね合わせた音色は、基本周波数の110Hzの音として聞こえる。振動は複雑になるのだが、一サイクルの間隔は変わらないからなのである。この「失われた基本周波数の」原理は、スピーカーなどにも利用されているという。例えば、90Hz以下には有効ではないスピーカーでも、110Hz、165Hz、220Hz、275Hzを送り込むことで55Hzの音を送り出すことができるのだ。
著者はこれらの一つ一つを、数式や複雑なグラフを使うことなく説明している。また、ところどころに見られるイギリス人特有の小ネタも、実にアクセントが利いている。なにせ、邦題のタイトルも「科学」ではなく「科楽」となっているくらいだ。
そのほか、本書を読み進めることで分かるようになることは、具体的には以下のようなことである。
・音楽の音と雑音のちがいは何なのか。
・短調とは何なのか。なぜ短調は悲しげに聞こえるのか。
・なぜバイオリン一〇台の大きさが、一台の音の二倍しかないのか。
・なぜクラリネットの音はフルートの音とちがうのか。
・なぜ西洋の楽器は同一の音に調律されているのか。
・ハーモニーとは何であり、どのように作用するのか。
また、著者の説明における例え話として多用されていることからも分かるように、音の響きについて考えることは、人間の組織論を考えることにも役に立つ。例えば音階の中で連続した音が同時に鳴るとぶつかり合ってしまうが、ひとつおきの三つの音があれば、もっとも心地のよい組み合わせになる。さらにここに衝突する一つの音を付け加えると、適度な緊張感が生まれる。ここから得られる響きの効果は、おそらく人間関係においても同様と言えるだろう。
驚かされるのは、音楽という人の情動を動かすものが、いかに科学の積み重ねによって成立しているかということにある。日頃は感性で受け止めている音楽、たまには「なぜ?」という理性で受け止めてみると、より一層面白くなること請け合いだ。
バーンスタイン/モーツァルト ウィーン・フィル コンサートBOX [DVD]
1枚ずつ単売しているバーンスタイン指揮のモーツアルト作品が4枚も入って6300円とは安い!と思ったのですが・・・良く見ると、1枚当たりの収録時間はほぼ30分・・・ということは、全部あわせても120分・・・「それって1枚に収録できる時間ではないか!」。
要するに、4曲が収められたDVDが6300円なのですね。
確かに1曲だけ聴きたい人には、サーチする手間が省けるのです。しかも4曲とも名演、画像も綺麗なので、文句は有りません。ちょっと場所をとるな、という事だけ腑に落ちないです。でも内容は素晴らしいので星5つです。
ぐっすり眠れるクラシック
3曲ほど聴いただけで眠りの世界に導かれてしまうこのCDは、実に心地良い。 曲の多くは実にメロディアスですーっと耳の中に入ってくる。有名な曲も沢山入っているので、耳を傾けていると知らず知らずに夢の中へ…なんて事もあるかも知れない。眠る目的以外にも、ストレスの溜まっている時や癒されたい時などに聴いても良いだろう。 疲れている現代人にはこのCDを聴いて、たっぷり睡眠をとって貰いたい。
ウォーターボーイズ2 DVD-BOX
「1」と比べるとコメディー色が薄くなり、よりノスタルジックでセンチメンタル。映画や「1」とは全く別の作品。でも「1」に出てきた「クラリネット」やヒロインの「美術への夢」が、「2」のヒロインの「クラリネット奏者になる夢」に引き継がれているような点、こんな細かな部分に気を使う脚本に脱帽。1つ1つのエピソードを大切に描いている。
主人公泳吉と親友洋介はひたむきで前向きで明るくて、この2人に周囲はどんどん引きつけられていく。同じように家族の問題で悩みを抱えている2人はお互いに「俺たちに相談してくれ」と言う。きっとこの2人は分身なんだろうなと思う。
こんなにさわやかな涙をまだ自分も流せるのだな、と思わせてくれた。「感動作品」は巷にたくさんあるが、これは繰り返し見れば見るほど感動が高まっていく不思議な作品。青春、親友、信頼、家族、真剣、夢、大切なもの、成長、高校最後の夏、忘れられない夏。今まさに高校生の人たちにも、忘れられない夏を胸に真剣に生きている大人にも、この作品は元気を与えてくれる。
モーツァルト療法 ~音の最先端セラピー ~3.癒しのモーツァルト ~耳と脳の休息の音楽 ~
こちらに書かれてあるレビューを読んで購入したのですが、、
日頃から色々なクラシックの曲を、自分の好みの演奏家で
聴いているせいで、こちらでピックアップされた演奏家の
演奏の仕方が、自分の好みと合わない場合には、
リラックスして聴けないですね。
(逆にストレスを感じて、、例として、私は、内田光子さんの演奏は、
ソロの場合は、どうも性に合わないものですから、、)
だから、反則なのかもしれませんが、曲目を参考にされて
自分の好みの演奏家で、オリジナル版を作った方が良い方も
あると思います。