素敵な歌と舟はゆく【字幕版】 [VHS]
何も考えず、ただただ眺めるようにみてしまう映画。街中でのカメラワークがお見事。撮り方や展開は映画作品であることを忘れさせてしまうほど、流れるように小気味良くさらさら進んでいく。
それと、作品の世界や内容もあいまって、見ている側は夢と現実の間に浮遊しているような感覚を覚え、その不安定感に陶酔してしまう。
見終わった後、世界の全てを肯定してあげたくなる。嫌な事や不安な事は一旦自分から離れ、映画の中からまだ抜け出せていないような後味。
観る側の自分も主人公になれる、そんな映画です。
ベビードレナージュ―健康な子、元気な子に育つ
山田先生にベビードレナージュを習ったのはもう5年前になります。
最初の子がダウン症という障害を持ち、何かできることがないかと探していたときに山田先生のことを知りました。
ダウン症は発育がゆっくりでちょっとカゼをひきやすかったりします。
でもこのベビードレナージュをしていたおかげでカゼらしいカゼはひかずに、
そして何よりもからだの発育は担当のお医者さんから「健常児と変わらない発育だね」といわれるくらいすくすくと育ちました。
今は弟が生まれました。この本を買って忘れていた手順を見直しながらベビードレナージュをやっています。
絵もかわしいし何よりも分かりやすい説明が良かったと思います。
もちろん効果はお兄ちゃんで実証済み。これからもベビードレナージュを続けていきたいと思います。
そらいろの雫 初回版
作画がくせがあるので好みが分れるかと思います。個人的には好きですが。
妹は完全な貧乳なのでこれも好みが分れそうです。これも個人的はGOODです。
シナリオはまあ可もなく不可もなく、それなりです。
と言うわけで星は1〜4位まで分れるかと思います。私は3つくらい。
巨魁
私は幼稚園以来巨人ファンだった。巨人の試合は見ていて実際面白かった。原だってまだ現役だったし、今のアライバを超える篠塚・川相の超人芸を毎日ゴールデンタイムに放送してたんだからそりゃルールも選手名も知らず、ましてや競技名を平仮名でも書けない幼児が見てもおもしろいに決まってた。なのにいつしか縁が切れた。関心を失わせた戦犯の一人は著者のあんたじゃないのかと思いながら読み始めたが少し予想外の展開に引き込まれた。過去は知らんが今のこの人の発言を見ると、わりと普通の感覚の人にしか見えなくなってきたからだ。新聞記者として鍛えた巧緻な文体に騙されまいと心して何度も振り返りつつ読んだのだが、最後まで表面的なボロはほとんどなかった。微妙な筆致の箇所はむろんあり感情の起伏もはっきり分かるが、過度のショーにも美談にもなりすぎないよう抑えた感触が目に付いた(普通の人がこんな状況になったらもっとすごい吐露になったろう)。よりによって読売の幹部だった人が本田靖春を引用した意味は深く考えざるをえなかったりするものの、言うまでもなくこの本は訴訟前に出版された一種の暴露本なので信憑性・公平性は別に要検証。とはいえまずは一読後の所感を記したい。
著者が複雑なルートで読売の社会部に潜り込んで(全共闘で留年云々)大手証券の損失補てんや新井将敬議員自殺の記事責任者だったと本書で知った。好きな人物(急死したキムタクや岡崎らわりと実直な縁の下タイプ)と嫌いな人物(長嶋一茂や江川、ダイエー中内ジュニアら)を見ると彼の性格もおよそわかる。つまり仕事内容が不明で給与だけ高く、他の貢献度の高いメンバーの序列を不用意に乱したり素行が悪い人物が嫌いなのだろう。そして、彼らには基本的にナベツネ人脈と言う共通点があることが多い。さらっと出て来る古田の演技力への批判も今思うとなるほどね、とはたしかに思う。ホリエモンを「粉飾決算のまま参入しようとした」と簡潔に切り捨てるのもともかく、あとの本文はもしも内容が事実ならば理解できなくもない事項のオンパレード。
著者はこの7年くらいの球界の盟主・巨人の愛すべきダースベイダー・ナベツネの子分その1(マスコミ&汚れ役担当)だと思ってたのでこの人が反旗を翻した(しかも上司の暴君ぶりと球界を正すだとか今さらそんな理由で??)と聞いた時はものすごく驚いたし、記者会見の涙も突然で違和感ありまくりだった。余談ながら当日の記者会見予告が「某重大コンプライアンス案件について」なる簡潔な通知だった上に場所が役所だったせいで2ちゃんねるは「井端につづいてついに球界の本丸・巨人選手のドーピング発覚だな(大歓喜)」という予測で溢れてた。なのに全然違う理由と判明し全員ぽかーん。いつしか報道は減り彼はなんだったの?何をしたかったの?と未解決のまま本書の出版を迎えた。
この際、裏切られた読売サイドの締め付けや主張は脇に置こう(公平を期するため読売グループによる反論本ご出版の折にはぜひアマゾン書評に参戦させていただきたい)。従来から嫌われ役に徹してきた人だから叩けばそりゃあ埃も出るだろう。なのになんだろうこの感覚は、宮仕え経験者なら分かる地獄そのもの。あんな独裁者がルールをよくわかってもいない(つまりはたいして愛してもいない)球界全部をおもちゃにしたがる以上、振り回されて人生を壊される人たちが無数に発生するのは避けられない。当時憶測を呼んだ外様の江川憎し子飼いの岡崎可愛さでの暴挙ということとはちょっと違ったみたい。
ただしナベツネへの反乱を含め(記者会見での涙は別として)、この人はどこか醒めている気がする。その醒めた境地に至った瞬間は、文中のように本当に記者会見直前の時期だったかは分からない。冷静な分析や記録を振り返るともしかしてもっと早くから(長年ナベツネを仰ぎ見たまま読売にいたわけで、巨人軍行き当初にここまでの固い決意は考えにくいわけだが)、直近の数年は醒めたまま球団代表をやってたんだろう。尋常な忍耐ではなかったとお察しする(いやーきついと思うわその仕事)。自分の時期に裏金などは極力ないと言いきっているが、今後の裁判で本書の信憑性を叩き潰されぬようにしてるだろうと思えば、ある程度ここは真実と見るのが正しそうだが…?(←この明言は清武氏にとって裁判でリスクになりかねないのでは?)
しかしさすがナベツネ聞きしに勝る王様ぶり…最近までの部下にここまで暴露されるようじゃさすがにアレでしょう。首にした部下からの逆恨みならいざしらず、自分から出奔してここまで言われるようじゃ名誉棄損とか以前の管理能力の問題だわこりゃ。読売なにやってんだよ…日本の政治言論を主導するとか自負する前に鉄拳の「こんな●●はいやだ」のネタまんまじゃないか。もちろんわたしも「こんなナベツネの部下はいやだ」(笑)と言いたいわけだが。
最後に。桃井氏って栄光学園で野球部OBだったのがほんと意外で(失礼)。コミッショナーだった元法務事務次官(根●氏)がスト騒動当時のトドっぽい愛くるしいルックスもあいまって(失礼)「この無能め!」とばかり野球ファンとして憤っていたのだが(辞めるといいつつ職に残ったから)、巨人を追われた元球団代表が本書で褒めてるのも裁判対策とか余計なことを抜きにして不思議な読後感。へぇ〜連呼間違いなしであるこの本、支持・不支持はともかく迷わずおすすめできる。単なるお家騒動ではなく、世間のどこにでもある漆黒の闇が「世界のヨミウリ」「世界一の日本野球界」にちゃーんと存在してたってお話。ついでに言えば、査定などの裏話を見るに客観的に球団代表って相当難しいお仕事だともよくわかる。この本、楽天とかDeNAとか新興球団の職員には最高の教科書ではなかろうか(変人オーナーとの付き合い方なる処世術の意味も含め)。
新聞記者の癖なのか高校の後輩のキムタクとかの逸話がちょっとだけ美談に寄りすぎたこと。本当に清武氏の在任中に裏金を使ったことは皆無だったのか(長野たちがあそこまで巨人愛を徹底した理由も上原・阿部らへの裏金判明のせいで疑わしくなってしまった)。金庫から清武代表就任時に消えたと明記されている裏ファイルの中身と行方(わざわざ明記してるということは裁判前の読売サイドへの牽制球?)。これらが読後も気になるが、やっぱ全国紙の元エース記者の手記はルポとしてもふつうに読ませるものがある。この本の真偽や補足情報の検証などは裁判の経緯を含めて続報待ちかな。そういや開幕戦も近いし久しぶりに球場でビールでも飲むか、当分は巨人戦は行きにくいなぁ…。