ピーター・ガブリエルの新作「ニューブラッド」は、前作「スクラッチ・マイ・バック」の流れを汲む作品だ。「スクラッチ・マイ・バック]では他のミュージシャンをカヴァーした作品だったが、本作品はセルフカヴァーによるものとなっている。この作品のレコーディングのために、総勢46人のニュー・ブラッド・オーケストラを結成したらしく、内容と共に豪華な作品に仕上がっている。前作に比べると原曲が比較的反映されており、その分かなり聴きやすくはなっている。
お薦めは、デュエットによる#2「Downside up」、#6「In your eyes」と、やはり#10「Don't give up」の出来は素晴らしく、名曲であることを再認識させてくれた。ピーター・ガブリエルの新作は、聴きごたえ十分かつ見事な仕上がりであった。
86年の発表当時は、それこそカセットテープが擦り切れるほど聴き込んだ愛聴盤だったのですが、今回のリマスター盤を聴いて「あれ、こんなんやったかな?」と思ってしまいました。 一応このアルバムはこの人の代表作なのですが、当時は尖鋭的とされていたテクノロジーと生音をうまく融合させる音づくりや、民族的リズムを取り入れるアプローチなどは、今では当たり前のことになってしまっています。時代に追い付かれてしまったというか、風化してしまっているような印象を受けました。 一番違和感があったのは、元々五曲目だった「イン・ユア・アイズ」を最後に持ってきていることです。このことでアルバムB面の流れは全く別のものになってしまい、「マーシィ・ストリート」の叙情性や「ビッグ・タイム」のアタック感などが損なわれてしまったように感じます(4曲目の「ザット・ボイス・アゲイン」は正直穴埋めのような曲なので、そこからの流れを引きずるとしんどい)。 また、そのことにより元々ボーナストラック的な扱いだった「ディス・イズ・ザ・ピクチャー」が正式な8曲目になってしまったのも納得がいきません。もともとこの曲はどう聴いてもP・ガブリエルの曲というよりは共演のローリー・アンダーソンの曲という感じで、音の感触や雰囲気もこのアルバムから浮いています(よくできたミニマル・ニューウェイブ・ファンクなのですが)。 リマスターについても、普通音が良くなると感動が増すものですが、この作品については正直微妙です。オリジナルが持っていた深めのリバーブが取り払われ、一つ一つの音の輪郭がはっきりしたことで逆に神秘的なアンビエンスやスピリチュアルな深みが失われたように感じました。 これから聴いてみようという人は出来たらオリジナル盤の方を聴いてもらいたいです。 ポリスの『シンクロニシティ』なんかは今でも風化するどころか、リマスターで更にすごいアルバム度が増したというのに。一体何が違うのだろう。
ぶっちゃけ前作「スクラッチ〜」は個人的に耳馴染みのない曲が多かったし、オケのアレンジもちょい実験的に過ぎて、しょっちゅう聴きたくなるようなアルバムではなかった。がしかし!本作はほぼ理想的なセルフカバーと言えるのではないか。まずイキナリの「リズム・オブ〜」にぶっ飛ぶ。なんちゅうカッコええアレンジ、そしてそれを「伴奏」にしてしまうピーガブの圧倒的な歌唱力!なんか最近、プログレの名曲をオケや弦でやるのが流行っているみたいだが、その多くは「こんなんやりましたけど」の領域を出ていないわけで、ここでのピーガブの仕事は「まあ待て。ワテが本物っちゅうのを見せたる」てな気骨が感じられる。やっぱ師匠、格がちゃいますわ。ラスト「ソルズベリー」が浮かないようにプレSEかましてるのも効果的で、トータルアルバムとしても極めて完成度が高い。ここはしばらくDVDにいかずに、CDを嘗め尽くすことにしまっさ。あ〜しかしマイルスモントルー箱もあるしクリムゾンの暗黒ディシプリン40thもあるし、この秋は有意義すぎる出費続きで...くぅ〜 (泣)
クラシックへの入り口としてこういうシリーズはとてもいいですね。
初心者には入りやすい入り口というものがあると、とても助かります。
のだめのお陰でクラシックの状況もやや上向きになりましたが、全国でオケが苦しい運営をしている現状には変わりありませんので、少しでもクラシックの間口が広がるといいと思います。
たしかに交響曲の4つの楽章には意味がありますが、そんなものは興味が出てきた時に知ればいいだけの話です。
音楽の正しい愛し方なんてありませんよ。
あなたが良ければそれでいいんです。
さぁ、どこかで聞いた事のあるメロディーがいっぱいです。
楽しんで聞こうじゃありませんか。
少しトニーレェブンとかいないのが残念ですがいいですねー。
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