宇宙がどれだけ謎に包まれているかを、非常に簡単な言葉で教えてくれる。
宇宙のすべての星の重さは宇宙全体の0.5%だ、とか、宇宙の10の62乗を占める暗黒場がある、とか宇宙が広大で謎が多いことを教えてくれる。
宇宙の謎と同じぐらい大きな謎は、宇宙の研究が日常生活にどう必要なのかどうか、であるが。
理由を聞いても納得は普通にできない。。
全く学のない私でも、すらすら読めて教養が身に付いたので、星5つ。
本書の邦訳は相対論的量子力学:ランダウ(東京図書)として出ていた。しかし現在は図書館でしかみることができない。そこで英語版と日本語版を図書館で見比べてみたが邦訳には全く問題点はないし英語も以外と読みやすかった。しかもファインマンダイアグラムも分かりやすく解説されている。邦訳は絶版なのは残念である。
~本書を読み始めたのは朝永が亡くなった翌年の暮れだった。冬休みにやることが無くて、クリスマスあたりから読み始めた。読み始めて直ぐに、日課になった。推理小説のようで、ページをめくるのが楽しかった。もちろん、途中で計算に行き詰まり、或る式から次の式に行くのに数時間あるいは一つの積分に数日悩んだこともあった。これは私の頭が悪い! 既存の古~~典物理学しか知らない物理学者たちが、実験事実の説明に取り組み、新しい概念を伴った量子力学を発見する物語である。ジグソーパズルのように、手元にはいろいろなピースがあるのだが、それらをどう組み合わせて現象を説明できるのか。自然のベールを1枚づつ取り除いて行く。 朝永は前書きに断っているが、おのおののトピックスが論理的な流れになっている~~が、歴史の流れに即してないのに注意が必要かもしれない。 朝永以降、このようなすばらしい教科書を書ける日本人物理学者が出てこないのが寂しい。~
量子力学を演算子形式でシンボリックに表現している教科書のひとつ。 用いる基底ベクトルによって表現が変わるので、 展開してゆく理論構成に一般性はあるが、 典型的な一次元井戸・障壁などの問題に触れる機会はないので 併せて波動形式の量子力学(メシアの本など)も学ぶことをお勧めする。 摂動理論と角運動量理論の解説が特に詳しい。 個人的には、はじめのシュテルン・ゲルラッハの実験が、 量子力学の一側面をわかりやすく説明していて、 初めて量子論を学ぶ人には良い刺激になると思う。 レベルは学部生で十分読みこなせるし、演習問題の解答編が 日本語で出版されている。
初版出版から70年が経ったこのDiracの量子力学であるが、今でも最もすばらしい量子力学のテキストといえよう。特に表示の簡潔さ、力学系に対する哲学感などはこれを超えるものはないだろう。どの章もすばらしいのであるが、特に11章の相対論的電子論は物理に携わるすべての人に読んでほしい。波動方程式のLorentz共変性やハミルトニアンの1階微分の要請からスピンの存在が導かれる歴史的瞬間を味わえるのは、この上ない学問的至福といえよう。星5個では足りない、物理学の本の中では最もすばらしい本と信じる。 ちなみに副読本としてはJ.J.SakuraiのModern Quantum Mechanics をお勧めする。同じようにブラケット表示を採用し、Diracに欠けている量子力学の現代的視点が把握できるからである。
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