階段をテーマにした短編連作漫画集。上下巻の2冊。
天才・安永知澄の本領ここに発揮する、というかたち。
上巻が狂気への階段。高揚します。死の狂喜を感じます。
下巻が現実への帰還。虚脱し、哀愁があり、沈静します。
といったシステムになってると思います。
人の持つ狂気を秘めた作家が、
真面目に丁寧に、ときに戯けて、描いた連作。
狂気の生み出す恐怖を、ゆりかごで味わう上巻です。
下巻も買わないと現実という安堵感に戻ってこれない…かも。
上巻だと上るだけ。落ち着かないとレビューも書けないよ。
ん〜、えっと〜。
ていうか、連載中にも作品ごとのレビュー書いて、
いざ、単行本が出たときに備えてたのに、下巻にある、
あとがき
にて、作者本人が作品の、
種明かし的説明書いちゃってるんだもん。
外野があれこれレビューで言うより、
まず、誰かが、この本を手にとって、
上下巻通して読むべきです。
連載中には、着眼点と発想と、
それらの結末に何度も笑いながら、
床を転がりました。1作1作が珠玉です。連載中、楽しかった。
このためだけにビーム買ってた。毎月、毎月、
また真面目に狂ってるよ!って、言いながら、
一人で読んでました。
もっと周知されたらいいのにな!
渋いッス! 謎が固まってきたような9巻でした。 早く最終回がみたい!
最近は物語の展開が完全に超常現象化してしまったので、序盤のドキドキ感は後退しましたが、話としてはまだまだ面白い。
ここからは超展開で広がりきった風呂敷をどうまとめてくれるのかが見物です。
少女(による)殺戮ロード漫画、バンビの5巻です。自分は
カネコアツシ氏をこの作品で知りました。
訳アリな子供を、邪魔者たちを排除しつつ届けるまでを描いたものです。
描写が特別生々しいわけではありませんが、戦闘シーンが中心なので
苦手な人はご注意を。
この巻では旅立ちのキッカケが明らかになります。
一巻だけ購読してみました。 しかし、可もなく不可もなくという具合の内容でした。 全巻通して読めば、面白さがわかるのかもしれませんが、 残念ながら、私はこれ以降着いていく気になれませんでした。
ああ、この作者はミステリーものをやりたいんだなー。というのを強く感じました。 でも、一巻完結ならまだしも、この内容で数巻にわたってタラタラと真相の解明をもったいぶられるのは、ちょっと勘弁してほしい。
むろん、この作品の他にも謎が謎を呼ぶ内容の漫画はたくさんあります。 でも、それらの多くには、読者が一巻以降にも手を伸ばすような、引き込む力があります。 引き込む力というのは、純粋に漫画として面白かったり、キャラクターが魅力的だったり、台詞が上手かったり、という細かい部分にかかってると思います。 このSOIL第一巻にはそういう引き込む力が無いです。
気持ち悪い世界を描くことには成功してます。 でも それだけ なので、ページをめくる度に『気持ち悪いなぁこの町・この人』と思うだけでした。 キャラクターの表情も、緊迫感を出すにも汗をかくかどうかの違いだけでした。
この手漫画は、登場人物の表情が感情を細かく表現できているかどうかも大事だと思います。 浦沢直樹の描く人物の、わざとらしい表情には嫌気がさしますが、なんだかんだで迫力は伝わって来ます。 この漫画は話も絵も中途半端です。
そして、 カネコアツシという漫画家は、コマから線がはみ出すのを気にしないんでしょうか。気にしないというよりはもはや『画風』というレベルです。 彼を鬼才と仰ぐ方もいることでしょう。そのような方々は、これを作者の『個性』と認めてるのだろうと思います。 …しかし、私は全編通して雑な原稿にしか見えませんでした。
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