カスピ海の酒気帯びる~ちゃんの情熱時事評論

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キャッチャー・イン・ザ・ライ 20歳くらいの時に読んで、何が面白いのだろうと思ったのですが、
この本の最後の文章は、大人になった今でも、なぜか時々思い出します。
友達やかつての恋人を、今ではどこでどうしているかも知らない相手を、急に懐かしく思い出すことがあります。
そういうときに、少年が最後に書いていたことを思い出してたりして、結局彼は愛情深い人間だったんじゃないかなあと考えたりします。そういうとき、また読み返したくなります。
不思議な魅力を放つ一冊。やはり名作なのでしょうね。

白の処刑 (講談社文庫) 作者の太田蘭三氏はこういっている
「冤罪を生み出す構造は、いまも司法機関の中にある。だから、凶悪犯罪の渦中にまきこまれてしまい、有力容疑者とにらまれた場合、明確なアイバイがないと、きわめておそろしいことになる。偏見捜査から、強制、拷問、脅迫によって、いったん虚偽の自白をさせられてしまうと、無実の罪どころか、無実の者の処刑さえ起こり得るのだ。この小説は、このこわさに挑んだものである」
北秋川渓谷でおこった資産家一家の殺人事件。ひょんなことで日雇い労働者の石破実が逮捕された。当然、石破は無実であるが、度重なる刑事の拷問、脅迫、そして十分に食べ物や水さえ与えてもらえず、夜中にもわざとらしくおこされる日々の毎日による不眠症。精神的にもまいり、神経もずたぼろにされ、また拷問、そしてしまいには暴力。そして精神的に追い込まれた石破は自白を強要され、ついに虚偽の自白をしてしまうのである。裁判にかけられ、納得いかない点が多いものの、自白をしてしまった事実があるため、判決は有罪、死刑。腹違いの妹の恵美は兄の無実を信じ、逃獄に挑戦するが、ついにその日は来てしまい...
これはフィクションであってある意味ノンフィクション的作品でしょう。刑事の身勝手な拷問場面には恐怖とこれ以上ない怒りを覚えた。こんなことが実際におこなわれているとしたらどうだろう。これは奇跡的な最高傑作です。ミステリー好きには絶対×99お勧め!!!日本ミステリー小説の社会派最高傑作です。

死に花 [DVD] はっきりいって世界の中心で愛を叫ぶやいま、会いに行きますよりよほど泣けます。老人ホームのグループの中で他界した人の銀行強盗計画を実行するという話です。円熟した役者さんや老いてもなお持っている強さに引き込まれていきます。最後のシーンまで目を離さないで見てもらいたい作品です。笑えて、泣ける珍しい邦画です。
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