「ビジュアルコレクション」というタイトルは内容を正確に表しているとは思えません。ありていに言えば「原画ラフ画コレクション」です。 part1「版権イラスト」part2「本編原画」part3「絵コンテラフ」の3部構成ですがそのほとんどは「本編原画」で構成されています。 捨てられる(もったいないですね)原画から総作画監督の一人井上俊之さんがチョイスし多々あった名シーンの数々が掲載されています。 惜しむらくはそれで終わってしまっていること。素人のファンにぽんと提示されただけでは「その作画のすごさ」が理解できません。できればいくつかでもいいので作画者のコメントなどがあればと思います。原画自体のメモも縮刷が小さすぎて読みにくいものや読み取れないもがあり残念です。
前後のpartは取って付けたようなものでありがちな色づけとしか思えないものです。どうせなら版権イラストをコンプリートする位の意気込みがあってほしかったです。
出版社の依頼で仕方がないから作りました、という感じが伝わってくるのが本当に残念。
池田さんの知名度は、NHKを中心に(少しずつではありますが)確実に上がってきているようです。そうした新規ファンに配慮してかは分かりませんが、この新しいアルバムは、今までにないほど全体的にポップかつ明るいトーンでまとめられています。
それでいて、音楽的にも新しい試みがいろいろとされています。それは例えば、歌詞に積極的に英語を取り入れていたり、R&B風の曲があったり、力強いソウルフルな歌唱法の曲があったり。池田さんが自身の可能性を模索している最中なのかも知れませんが、どの曲も違和感なく、むしろ以前よりも幅のある歌声で聞かせてくれるのはさすがだと思います。このアルバムを「聞きやすい」と感じる方もきっと多いことでしょう。
ですが、残念なことに……このアルバムの収録曲はほとんどすべて、「歌詞が弱い」のです。今までのアルバムの曲のように胸に刺さるようなインパクトも、繰り返し口ずさみたくなるようなフレーズも少なく、ただ「聞きやすい」というだけで耳をすり抜けていってしまいます。そのうえ肝心なところで英語詞が多用されているため、せっかくの池田さんの歌が軽薄にすら聞こえます。
”胸に刻んだ ON THAT DAY”(「sora」)
”Fly away above the sky 羽ばたく鳥のように”(「幸せの種」)
こんな歌詞を、日本語の響きにこだわってきたはずの池田さんに書いて欲しくはありませんでした。何しろ英語にする意味が全くありません。前者は「あの日」などでいいし、後者は「さあ飛んでゆこう」などもっと語呂のいい日本語詞があるでしょう。
もちろんすべての歌詞が良くないというわけではなくて、中には『祈りの歌』のような良品もありますが、それが例外的なのが悲しいです。
より多くの人に認められる、それ自体は喜ばしいことです。ですがそのために本来の個性を見失ってしまっては意味がありません。私は今までにも、似た例を数知れず見てきました。メジャー化するにつれて曲や演奏のクオリティは上がったものの、詞の内容が空っぽになってしまったアーティストたちをです。池田さんの今回のアルバムも、耳あたりは良く一聴すると綺麗に思えますが、正直に言って内容は薄いものです。
それでも抜群に歌が上手いことには変わりなく、ファン補正もあって★評価は4つですが……。このアルバムがあくまで開拓途中の産物だということを祈ります。
評価はタイトルの通りです。
アイテムを使ってARisに何かを「させる」のがメインの遊び方ですが、
何もせずに放って置いてもARisはいろいろと動いたりしゃべったり。
そういったアクションを眺めているだけでも面白い。
ソフトウェア(CD/DVD)が商品に添付されず、
ネットからのDL提供である点に不満を述べている方もいますが、
逆に言えば今後のアップデートが容易であるとも言えます。
これからいろいろな動作パターンが増える事を期待します。
さて、今後購入を検討されている方にハード面についてアドバイスを。
・ARisは3D表示ですが、Direct3Dの機能はほとんど使っていません。
ほぼCPUパワーで描画しています。従って高性能な3Dグラボは不要。
・ARisのアニメーションレートはWebカメラに依存。
現在販売されているWebカメラの多くは640x480で30FPS。
どうしても若干カク付き気味になります。
また、ARisの画面表示は640x480かフルスクリーンの2択ですが、
フルスクリーンは640x480の拡大表示なので画像は荒くなります。
なので、用意するWebカメラは640x480で30FPS出る物ならば
ベーシックなものでokです。高価・高性能なカメラを使っても
30FPS以上のレートが無ければARisにはあまり意味がありません。
・CPUパワーですが、どんなに高速なCPUを使っても100%になります。
これは、Webカメラのフレームレート(30fps)と同期を取る為に
割込み待ちを多用している為だと思われます。
速いCPUを使うに越した事は無いですが、高性能だから負荷率が下がるとか、
ARisがスムーズに動くなどといった要素はありません。
HK教育アニメ「電脳コイル」第9〜11話を収録したDVD4巻です。
目に見えないデジタルデータを当たり前の存在として
日常空間に具現化させた着眼点の面白さが素晴らしい作品です。
物語がSFチックな世界観では無く、どこにでもある住宅地や
ご近所の町の片隅で子ども達中心に繰り広げられるため、
へたなSF作品よりずっと未来予知を見据えた現実味の強い点に感心させられます。
(総合7.33/10点)
第9話「あっちのミチコさん」★★★★☆7/10点
夏休み合宿という名の和風ホラー満載。怪談話、肝試しにも
電脳メガネが大活躍。特にWAVE音声を使いSEとして盛り上げる演出に感心。
夜の学び舎での期待感と緊張感に大人も子どもも、はしゃぎ過ぎで楽しませてくれます。
現実と虚構の狭間で錯乱させられる場面もインパクト充分。見応えありです。
第10話「カンナの日記」★★★★★9/10点
カンナの残した秘密、謎を探り、お宝探しのような冒険要素一杯。
モノローグのような独白で綴る遺書(日記)がなんとも切なく苦しく
彼の男泣きに喉が詰まりそうな共感を覚えます
「明日があるわ」優子のなにげない一言が彼を圧迫する演出にもはっとさせらました。
もう見えない明日を失った亡き人からの純真なメッセージに涙して下さい
第11話「沈没!大黒市」★★★☆☆6/10点
イリーガルから一攫千金求めたダイチの不運をコメディタッチで
描いています。電脳空間が水没。栓抜きに奮闘する着眼点に感心。
こちらの予想を上回る想定外の展開とこの機に乗じるフミエの腹黒さにもニヤリ
それでも懲りない子供の悪戯心を捉えたようなお話です
星5つでは足りないくらい興味深く価値のある本です。
『電脳コイル』の関連書籍が数冊すでに出ていますが、それらはごくありきたりの解説本であったり、原画集であったりしました。
しかしこの本は違います。先に出た本たちが「ちょっとした最近の身の上話」であるのに対しこの本は「出自来歴を語る」ものになっています。
アニメ関連の賞やSF関連の賞をたくさん受賞した、昨今まれに見る秀作アニメの意味や意義を深く理解するのに、ぜひとも座右におきた一冊です。
失われたキャラクターやエピソードなどがすでに見た完成作と渾然一体となり、不思議な感覚に陥ります。そうこの本は『電脳コイル』自身の「古い空間」なのです。
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