この本は戦国~江戸初期に活躍した剣豪たちの活躍を描いた本です(宮本武蔵のように有名な人たちではないけれど)。内容はそこそこまとまった内容になっています。剣ということでけっこう緊迫したものがたのしめますし、、、だが戦国時代や剣豪に興味のない人はあまり楽しめないと思います。
江戸深川の芭蕉庵に移ってから始めて、晩年まで発句・連句の作られていく過程を小説家の想像力で追究している。俳諧史をひもとき、それも十分考慮に入れながら、一つ一つの作品の発想されていく姿を浮き彫りにしている。あとがきに「病と戦ひながら書き続けてきたけれど、苦しさの中にも楽しさがあった。未完に終はったけれけれども、日本人の美しい情操を伝へるものとして贈りものとするに恥ぢない」(口述筆記は娘日女子)(雅)
不勉強なもので、横光利一と近しく、歴史小説で名を残したという訳者の中山義秀についてまったくの無知なのですが、本作は様々なフィクション作品の題材となる『平家物語』の原文を、忠実に写しとった現代語訳としては一番のものだと思います。
原文に記載のない余計な修飾・美化・説明などは一切なく、現代の時代小説としては味わいにかけると感じられるかもしれませんが、逆に土台となる原文を理解するために、あらかじめ読んでおくのには最適でしょう。
説明不要な単語にまで註をつけておきながら、一部の和歌や漢詩の解釈を抜かす編集方針には納得のいかない部分もありますが、初学者には丁寧さと簡略な文章に好感が持てました。
「奥が深い」と友人に勧められて読みました。 なるほど。表現にも内容にも「実直さ」が伝わる骨太感を感じました。 根底にある「男はこうあるべし。女はこうあるべし」、みたいな古い思想が見え隠れするところに違和感があったのですが、巻末で娘さんが書いていた「著者に代わって読者へ」を読んで、中山義秀の黙して語らなかった痛みを知りました。義秀が書いているのは「古い思想」というよりも、かつて日本人が普通に持ち合わせていた「信条」だったんですね。 収録された7つの短編のうち、私は『テニアンの末日』が一番心に沁みました。地獄絵のような凄まじい戦地の状況。その中でも、人としての尊厳を失わない浜野と岡崎が、あまりに美しかった。それは悲しいほどに…。
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