私が作新学院の小学部に通っていた頃、高等部に江川がいた。 県営本球場のバックネット裏で夏の県予選を見ていた記憶があるが、なにぶん小学生なので、本物の江川がどう凄かったのか、具体的に記憶しているわけではないけれども、打者をバッタバッタと三振に討ち取る江川の姿は脳裏に焼き付いている。
怪物江川のことを書いたものは数多くあるが、この本は2つの点でユニークである。
ひとつは甲子園以外の地区大会の対戦相手にまでインタビューを行っていること。 当時の同世代であった栃木県の高校球児たちが、どう江川を見ていたのか、ただ単に「怪物」に圧倒されていたわけではないことがよくわかる。
ふたつめは江川の物語だけではなく、甲子園で江川に投げ勝った二人の投手、広島商業の佃と銚子商業の土屋、そしてエース級の力を持っていながら江川のおかげで2番手に甘んじた作新の大橋、という3人の物語が、この本を単なる江川物語ではなく、当時の高校野球界の物語として奥行きの深いものとしている。
大橋はアンダースローで技巧派。中学時代県大会では小山二中のエースとして江川の小山中と1−2。決して江川にひけを取らない好投手だった。江川という怪物がいなければ、間違いなく作新のエースとして甲子園をわかしていただろう。この大橋のことを扱った本は寡聞にしてこの本だけではないかと思う。 大橋康延 公式戦記録 11試合 41イニング 自責点1 防御率0.21 見事な記録だ。
広島商業の佃の話も惹かれるものがある。残念ながら佃は2007年に癌で死去しており、著者もインタビューはできていないが、達川をはじめとしていろいろな証言から、佃がいかに凄い投手だったかが浮かび上がってくる。甲子園優勝投手、でもプロには行かず、癌宣告されながら死ぬまで学童野球の監督をつとめた佃の姿に心打たれるものがあった。
そして、広島商業といえば、迫田監督。「栃木にバントすらできない投手がいる」と聞いて、編み出した奇策「スクイズ失敗スチール作戦」は達川の話で読んだことがあるが、この本ではより詳細に語られている。当時は映像記録もなく、江川を目の当たりにしたのは、甲子園の1回戦が初めてのはずで、それ以前からこのトリックプレーを真剣に練習していたのには驚くほかない。 そして4連投の江川に5回で100球を投げさせれば勝機がでてくると、徹底的にウェイティングをさせ、実際、1−1の同点で迎えた5回、部長が「江川104球、おまえらの勝ちじゃ」。それまで呑まれ気味な広島商業ナインに対する周到なベンチワークが江川に対する勝利を導いたといえよう。
話は戻るが、江川が一番速かったのは高校1年〜2年で、1年秋の関東大会での前橋工業戦、4回打者12人に10三振(うち見逃し8)が最速だったという証言が多数載せられている。当時はスピードガンがないのでわからないが、おそらく160kmオーバーだったという。この試合は5回表に頭部にデッドボールを受けて退場。後続が打たれて結局負けているため、江川の本当の姿を見ている人はほとんどいないということになる。
この記録も当書以外ではほとんど語られることがない事実なので、そういう意味でも貴重な1冊と言える。 野球をやる方には是非読んでほしい1冊である。
舞台を2回観に行って、とても楽しかったので買いました。
DVDだと役者さんの表情が良く見える半面、
DVDでもう一度じっくり見たかったところが全く映っていなかったり
(例えば歌の最中の帝国の練習シーンや、幕開け直後の染岡&半田のやりとり等)
歌っているメンバーをカメラで追いきれていなかったりと不満もありました。
これだけカメラの台数があったなら、もう少しファン目線の編集をお願いしたかったです。
せめて特典画像に放り込むとか…。
でも、舞台に行けずDVDだけで観た人も楽しんでくれたし、
何度見てもいい作品だと思うのでこの評価で。
再演を熱望するとともに、次もDVD化するなら上記の点を考慮してもらえたら嬉しいです。
前々年ドラフトにおける驚きの指名から約2年が経った後、かつ同年オールスター以来となるKKコンビの公式戦対決。この年は後楽園球場最後の年であり、その最後の公式戦が、この年の日本シリーズ第3・4・5戦となりました。
両者の対決はその後幾度か日本シリーズでありましたが、この年の日本シリーズが1番初々しく、見ものではないでしょうか。
いつ見ても、第6戦9回表2アウトで涙する清原の姿が印象的です。
また、第5戦5回裏で、西武・辻の職人芸とも言える守備が見られます。
そして嬉しい事に、このDVDには87年のオールスター第3戦(甲子園球場)で、清原が桑田からホームランを放ったシーン、江川が現役引退を決めた広島・小早川の逆転サヨナラ3点ホームランのシーンも収められています。
KKで野球が好きになった私にとっては、必需品的DVDです!
KKと同世代の方にはもちろんですが、KKに憧れたその下の世代にお勧めです。
女性の視点から言えば、可愛かった桑田・清原がなんともたまりません(笑)。
初めて見る映像もたくさんありました。
当時の熱闘甲子園を録画している方はあまりいないと思いますので(映像量としては少ないですが)
そこはレアだと思います。
あと、元ヤクルト池山の甲子園姿も少し出てきますよ。
ドストエフスキーの『罪と罰』を多角的な視点とロシア語の語源から捉えて小説の奥に隠されている様々なメッセージを読み取っていくというまさに“謎とき”の楽しさを教えてもらえる本。 改めて『罪と罰』が読みたくなった。
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