EYEちゃんのコメントがすべてだと思います。
原始的なジャングルに迷い込んだようなドキドキ・ワクワク感。
一音一音が持つ生命力のエネルギーに圧倒されてしまいます。
息苦しくなってしまうくらい。
ポストロックと一口に答えても、ただ技術的に進歩したロックをポストロック等と答えるようじゃ駄目だと思う。勿論、ロック史などに結わえられなくても面白く素晴らしい音楽はたくさんある。だが、トータスほど「ポストロック」であり続けるバンドはいないのではないか。 この作品にはオウテカをはじめとするテクノの技術、フリーミュージックによって生まれ出る音のシリアスな面、また、カンやファウストのジャーマンロックから受け継がれたダダとも言える音響的アプローチが存分に盛り込まれている。国内盤ライナーにも書かれているとおり、「いかにもな音を使わない」彼らの音楽は、ポップながら陳腐には陥らないテンションが存在する。この作品はそんな彼らの努力、そしてロックの歴史が結実した一枚のアルバムである。 非常に聴きやすい曲も多いので、あまりインストものに聞きなれていない方にもお勧めできる一枚。
5曲目「curious child」。NHK『ミッドナイトチャンネル』の番組紹介のときに流れていて、気になっている人もいると思います。 この曲は、私が知っているテクノミュージックの中で最も美しい曲のひとつです(正直、最も美しい!と断言したいくらい)。この曲のためにこのアルバム買ってもいいんじゃないかな?ってぐらいの名曲だと思います。
3曲目「イタリア紀行」。ブラスの低音と少年のおぼつかない歌声、死について子どもからの視線で問いかけるはかなげな歌詞。それぞれの要素がとてもよくマッチしています。
このアルバムあと、『Child's View』、『ミラノ』、『フィナーレ』、『10th』、Childiscからのコンピレーションと彼の作品を追いかけるように聴きましたが、やっぱり『こどもと魔法』は傑出している、と思います。
星を1つ減らしたのは、コンセプチュアルな要素が強く、全部の曲が繰り返し聞いて楽しいというわけではないからです。あと、若干聞き手を選ぶかな、という感じもします。例えば、2曲目「bright time to come」は、私は子どもの未来を夢見るわくわくした気持ちを想像しますが、ひとによっては(コンセプトから切り離して聴くと)子どもっぽいなあと思うかもしれません。とはいえ、私は大好きなアルバムですし、友人に貸したらそのひとも気に入ってくれました。
アルバムの雰囲気をよく伝えたアートワークもとてもよいですね。こんなにすばらしいアルバムが品切れなんて……。再販希望です!
最近のエレクトロミュージックにおける人気を聞いて、少し聴いてみたいけどエレクトロって当たり外れが大きそうでどうもとっつきにくいって思ってる方。エレクトロにはフォーキーなものと複雑で抽象的なものに大まかに大別できると思います。後者の方には、PREFUZE73、APHEX TWINなどのクラブよりのアーティストが含まれるとおもいますが、激しいのはちょっと…って思われている方には非常にお勧めします。フォーキーエレクトロミュージックの持つ美しさはもとより、かつ少し軽い気持ちで聴ける、チルアウトした面と、幾分のクラブエレクトロ側のかっこよさをいい配分で併せ持つ傑作と言って良いでしょう。薄明りのもと、夜眠る前にボーっとしながら聴いてみると幼少の頃を思い出したかのような甘く懐かしい気持ちになるかも。美しいロボット声に加工されたヴォーカルが気持ちいい眠りに誘う。そんなアルバムです。
竹村氏が自身の音楽活動の区切りとして「10th」(10枚目)と銘打った記念碑的アルバム。彼はこの直後音楽活動を休止することを発言している。 内容は前回「ソングブック」で見せた「人間の声」を一切排除し、スピーチマシンというものを使い、機械で歌わせるというという、丁度前回のアルバムと対になる内容。機械の声は非常に有機的に電子音と絡み、非常にゆったりとした空間と、同時にドキドキする瞬間を届けてくれる。 スピーチマシンがひょっとしたら苦になる人もいるかもしれない。また、彼にはまだまだ作品をリリースし、傑作を送りだして欲しいという気持ちから、4点。休止するには早すぎるよ。
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