国語教師、校長を定年退職してから富士山に登り始めた著者による、体験記を兼ねた富士登山指南書。800回以上登った経験から、登山装備、高山病予防など、既存の本にはない(800回も登った人などいないだろうから当然だが)富士山制覇のために自分が開発したアイデアを次々と披露する。同時に山行で見たほかの登山客、登山道からは近そうに見えても遙かに遠い山頂、厳しい自然、荘厳なお鉢巡りなど、800回登って見える富士登山を描いている。
当たり前のことだが、800回登ろうが、登山のきつさはそう軽くならない。平均タイムの半分程度で富士山に登る著者も山行は苦しい。だからこそ、登頂時の達成感は格別で登山はやめられないという。登山というと、ニュースでは未踏峰制覇ばかりが脚光を浴び、趣味としても「百名山」のように、色んな山を登る方が普通だ。登るたび「明日も登りたい」と思って、また登るうちに、「富士山をとことん極める」という独創的な登山スタイルを、著者は見いだした。
本書は著者初の著書とのことだが、文章は初々しいながらも平易で読みやすい。山でのマナー違反を指摘する所では、「教師」っぽい所はあるけれど、全体的には「神聖な山に登らせてもらっている」という謙虚さ、感謝の念に満ちた文章に好感した。そして、養老孟司や藤原正彦のような名エッセイストを起用してメガヒットも出す一方で、手間を掛けて著者のような素人を発掘し、ここまで読める本にまで持ってくる新潮新書編集の仕事ぶりにも感心する。
今年は城めぐりに力を入れており、そこでこの本が役立った!
前半はもちろんタイトルどおり人気の高い戦国武将の人物像と史跡紹介。
後半数ページには城特集が!おおお、ナイス!!
いやぁ、上田めぐりの際には助かったでやんす!ありがとう!!
第2弾も発売されたので、是非両方チェックしてください。
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