誰もが一度は読んだことのある名作だけれど、やはり大人になって読み返して欲しい作品です。
忙しさや物欲、見栄に翻弄され、近くにあるあたりまえの幸せに気付きにくくなった大人だからこそ、王子様の言う一つ一つの言葉が現実味を帯びて胸に響くはずです。
詩的な文章の美しさにも改めて感動しました。
2006年新訳星の王子さまが発売され、本屋に勤めているのですが徐々に売れています。そんな中この英語訳のほうも少しだけ売れています。下のレビューでも書かれていますが、フランス語で書かれた本作は翻訳の仕方でかなり解釈の違いが見られ、心理学の学用書などにも採用されています。僕も新たな解釈を求めてこの英語版を手に取りました。
お話は皆さんご存知の通り、テグジュぺリの生き写しとも言えるパイロットと小さな星からやってきた王子さまとの出会い、そして王子さまが体験してきた物語が語られ、再び星へ帰るまでが描かれています。なんてことないこの物語もその描写の無邪気さ美しさ、そして残酷さが多くのファンを生んでいます。
僕が最初購入した日本語版は文庫版で、絵もカラーではありませんでした。なので、この英語版で描かれたカラーのイラストは大変うれしかったです。英語もToeicレベル470と決して高くなく、商業高校出身の自分でもちゃんと読めました(もちろん、所々で辞書に頼りました。)。
新たな世界を楽しむもよし、英語の勉強をするもよし。一度お試しあれ。
映像があるとないでは 聴こえ方がまったく違うバンド。CDで聴くより、DVDで見るほうが何倍もすばらしいのはなぜだろう?ある意味、ビジュアル系。
フランス語だけの本としては、本格的で、安いのでお勧め。対訳がお望みなら、別に考えるべし。
詩的な原文をふまえた、とてもいい訳だと思う。
単純で、美しいメタファー。 追憶の小惑星の中の、唯一輪の気難しいバラ、 または、砂であり、水であるもの。 目に見えないもの、隠されものに回帰する、 星の王子様の、彷徨える子羊の惑星の旅、 単純で儚い程に、隠された真実である、 愛する小さな星の、煌めきが美しい。
愛とは時間だと云う、我々の儚い知覚の救い、 星の王子様は、美しいメタファーの中に、 時間と空間の意味が込められた、懐かしい孤独な 惑星や、失われた航行への回帰論だともいえます。
「家や、星、砂漠、それに美を与えてるのは、 その中に隠されたもの・・」
「この中に、私の花がある・・、 バラの為に、費やした時間が大事なのだよ」
一輪のバラや水滴を、純粋な星の王子様の目で見る事、 古い殻を捨てる事は怖くはない・・ とても切ない、昇華された読後の余韻が残ります。
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