1曲目のIntroductionと2曲目Young Alexanderは繋がっている印象で分厚いハーモニーが魅力、特に2曲目は名馬ブーケファラスを乗りこなす場面だが、輝かしい音楽で鳥肌が立つ程、素晴らしい。第9曲目の「Roxane’s Veil」はこのサントラのなかで最も魅力的であり、官能的でさえある名曲、映画では僅かしか聞かされない。全体にオーケストラをベースにシンセサイザイー、声楽を加えた構成がメインだが、遠征したエリアのオリエンタリズムがふんだんに盛り込んである。このため、かなり異国情緒があって多彩な曲想が楽しめる。ただ、映画では効果的だったインドからの帰還表明するときに流れたホルンの悲しいメロディーや古代劇場でのローマ風のトランペットは収録されていない。 一方、映画では一部しか鳴らされなかった、曲の全体がじっくり聞ける構成になっており、映画のサントラとしては非常に充実した内容と言える。
ARBという元々レコード会社によって作られた一つの一過性のバンドであることを感じられる唯一のアルバム。ENMAの作った2曲(これはこのアルバムでしか聞くことができない)以外すべて石橋凌が作詞作曲という現在復活したARBの姿も見られる。軽はずみに流すことができない大きなアルバムといってよい。ARBのことを一言でも人の前で口のするならば必ず側に置いておかなければならない最重要アイテムである。これ以降のアルバムではキーボードは完全に隅にやられてしまう。何故なのか?まさしくその答えがこのアルバムにはある。Believe in Rock'n Roll
この映画は、アレクサンダー大王の戦勝の記録を再現するものではなく、人間としてのアレクサンダー大王を完璧に描ききっています。勝者の一方的な誇張ではなく、失敗や欠点などもあからさまに描かれていて、父親の愛を受けられず、母親の偏執的な愛情を受けていたこと、また友人のヘファイスティオンとの同性愛的なつながりなどが全編を通じて流れる中に、アレクサンダーの征服の「記録」がたんたんと語られていきます。「歴史は勝者が作る物」とはよく言われる事ですが、この映画は「歴史」を語らず「人間」を語っています。期待していた内容とは違う印象を受けた人の評価は低いかも知れません。 ペルシャのダリウス王を敗走させるシーンを空中から撮影したシーンの規模は実に壮大です。しかし、歴史で学んだファランクス(密集重装歩兵)の優秀性はあまり感じられませんでした。中学の歴史などでは、ファランクスによりペルシャに勝利したという事実のみしか学ぶ事は無かったので、あまりにもペルシャ兵が多すぎて、ファランクスを擁するアレクサンダー軍でさえ、ダリウス王が逃げ出さなければ持ちこたえられなかっただろうという解釈に驚きを禁じ得ませんでした。また、戦いの後に、膨大な数の負傷者を映し出して、戦争の悲惨さを実感させながら、負傷した部下を励まして回るアレクサンダーの姿も映し出して、本当は薄氷の勝利であった事が良く理解できました。 ペルシャを破りバビロンに入城してからも、遠征をやめず、どんどん東へ東へと兵を進めてインドに到達しますが、象の大群との戦いや慣れないジャングルの戦いなどで多くの部下を失うだけでなく、自らも傷つき、遂に帰国する決断を下すまでの過酷な遠征模様の描写が延々と続き、無謀な戦いではなかったのか?という印象を与える構成になっています。 戦勝という華やかさの陰に隠れている数々の犠牲や困難な従軍模様、異質な文化との交流が実にリアルに長時間にわたって描かれているために、アレクサンダーの栄光よりも苦悩がひしひしと伝わってきました。歴史の時間に学んだ華々しい世界征服の覇者の偶像を破壊し、人間としてのアレクサンダー像を描く事に成功していると思います。長い映画ですが、見終わった後の充実感は何とも言えず心地よく感じました
2010年2月11日に惜しまれながら亡くなったアレキサンダー・マックイーンの1995〜2010年のコレクション写真集です。 テーラーや舞台衣装での経験がクラシカルでドラマチックな中世ヨーロッパ的デザインを築き、『異端児』と呼ばれた持ち前の反骨精神がそれを前衛芸術にまで昇華させています。 パリ・コレクション2002年秋冬での、風を受けて部屋一杯に広がるかのように思えたマントの存在感に圧倒されて以来ファンでした。(その写真も掲載されています)
欲を言えば2006年春夏以外のメンズウェアが掲載されていないことでしょうか。 クラシカルなスーツの基本に忠実であり男性的なシルエットが面白かったので残念です。
ご冥福をお祈りします。
丁寧なチュートリアルがあるので、その気になれば取説読まなくても大丈夫。マウスとキーボードの洗練された操作性のおかげです。何よりも、壮大な戦闘、壮大なマップ等々見所の多いゲームです。
内容は、単なるイタリアの都市国家であるローマを強大な軍事力を誇る大帝国へ導いていくキャンペーンと、史実で有名な合戦を再現したモード、後はオンライン対戦とクイックバトルがある。キャンペーンには有名な将軍も登場し、何十とある諸勢力を滅ぼすとその勢力を次回のキャンペーンから自国として選択が可能になる。歴史に反し、ガリアがヨーロッパ全土を支配するなど熱い展開も可能だ!(他にもブルタニア、カルタゴ、トラキア、スキタイなどかなり多くの国がある。果ては同じローマのスペキオ家とか……。もちろん裏切り有り)
戦闘は平原での大軍同士のぶつかり合い、籠城からの攻城戦、はたまた森の伏兵からの奇襲、外交による停戦などバリエーションは豊か。ユニットも当時のものが殆ど登場し、隊形や装備はもとより、二百字程度の解説まである充実ぶり。
雄大な音楽を聞きながらの勢力内の世代交代や、占領した土地、徐々に巨大化していく都市の運営等々見所や解説したい事がいくらでもあるが、ここにはとても書ききれない。その「ローマ時代」に対するこだわりは半端ではなく、圧倒されるばかりだ。
キャンペーンの難易度を設定できるが、それでもやりごたえはかなりのもの。あと、ユーザーに要求するPCスペックもかなり高い。メモリは最低でも700はないと、快適なプレイは難しい。それでも、多くの人に一度は触れて欲しい、そんなゲームである!
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