私の期待値のもっとも高い作家、それはディーヴァー。
本作はプロット、ちょっと凝りすぎです。
相変わらずめまぐるしく動く物語。本作では、アメリカ、そしてニューヨークの歴史を謎に解きに取り込んでいます。それはそれで満足なのですが、ストーリーの最後のプロット運びに「あれっ」と思いました。
ディーヴァーの長編には、プロット、人物描写(ドラマ)、アクションの3つの要素が絡み合って進んでいくのですが、人物描写とアクションはまずまずです。今回の敵役、未詳のキャラはなかなか魅力的。ちょっと同情したり。被害者の女子高生はいまいち固いですが、その女友達や舞台となるハーレムの街の描写などは、リンカーン・ライムシリーズの平均値以上。アクションシーンは十分。コフィンダンサーまでは行かないまでも、ハードな銃撃戦、爆弾処理シーン等もふんだんで、満足しました。
ただ惜しむべくは、最後の2章ですね。それまでの積み上がって、積み上がって固めた伏線からクライマックスに至ったエンディングに2回のどんでん返しは不要かと私は感じました。
名人も凝りすぎましたね。
最後に、本作には、今までの登場人物がふんだんに登場します。ファンには楽しいです。
オバマ大統領の愛読書として紹介され、ニューヨークでは、入手困難と言われ読んでみました。的確な翻訳が出版されることを期待しています。日本語で多くの方にも読んでほしいです。
なんとも奇妙な話である。アメリカ合衆国第十六代大統領はヴァンパイア・ハンターだった、というものである。もちろんこれはパロディではあるが、この本には実在の人達が多く出てくる。従って、歴史上の事実と著者による奇想天外な話が交互に記述されるのであった。
リンカンがヴァンパイア・ハンターになった動機と、その後の行動は衝撃的である(この話の核心を成す箇所なのでここでは書かない)。アブラハムは良いヴァンパイア(こういうヴァンパイアも居たそうである)の助力でアメリカに住み着いていた悪いヴァンパイアを退治するようになる。奴隷解放の動機の一つでさえ、この本ではヴァンパイアのせいにしている。それは、ヴァンパイアにとっては、奴隷の血であれば一般の人達のものよりも自由に吸うことができるからである。というような話なので、その馬鹿馬鹿しさをある程度許容しながら読む必要がある。 一方で、なかなか感銘的で重々しい事実も書かれている。南部に支援されてアブラハムと戦う生涯の政敵、スティーブン・ダグラス、との討論において、彼の述べる、「黒人が投票権を持つことになって、あげくの果てには陪審員となって白人を裁くことになってもいいのか、」という演説に対するアブラハムの反論、「黒人は多くの点で我々白人とは違うが、我々と同じ人間である、」は、それが1858年8月に行われたものであることを考えると、それから間もなく奴隷解放宣言によって法律上の奴隷は居なくなったものの、100年経ってもまだ南部では黒人差別が続いていたことを思い起こさせ、奴隷解放に続く黒人差別の解消が長い道のりであったことに気づくのだった。
細部にこだわると筋書きとしては雑駁なところもあるが、読みやすいし、おもしろかった。それにしてもアメリカ人はヴァンパイアの話が好きなもんだ、前に読んだ「Twilight」もそうだったし、それもベストセラーになった本である。日本の怪談に匹敵するのだろうか。
おもしろい商品です。テレビでは見たことあっても 実際に使ってるを 見ることが無かったので 周りの人たちにも 大うけです 実際 スマホでメール打つのに助かります。
スピルバーグ監督のリンカーンがこれから公開されるが、その前に公開されて本当に良かったのでは。 その後だと、スピルバーグのヒットにあやかったB級作品として誤解され、DVDでレンタルショップに並んでも果たして借りられたかどうか・・・。
バンパイアハンター絡みの作品は数多く、奇をてらってリンカーンがバンパイアハンターだったらという発想は面白いと思う。 作品としてはテンポは良くて娯楽作品としてそこそこ楽しめた。斧を使って戦う姿は様になっておりクライマックスも見ごたえはある。 ただ、他のレヴューにも書いてある通り、記憶に残る作品かといえば残念ながらそうでもなく、1回見たらもう十分というのはある。
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