遥か昔に読んだ古い作品ですが、二十年近くも忘れられないほどのときめきを感じた作品です。 この時代を題材にした少女マンガは別の作者の「天上の虹」という有名な作品があり、そちらの円熟した美女・額田女王のイメージとは正反対かもしれません。 こちらでの額田女王は奔放で神秘的な美少女として描かれています。二人の皇子に愛される主人公額田やその世界観に魅力とロマンを感じます。二人の皇子との三角関係ですから本来は昼ドラ的などろどろしたものでしょうに、泥臭さや醜さがあまりなく、二人の皇子の額田の愛し方も素敵です。絵柄的にも現実味は少々薄いですが、とても少女マンガらしいというか……読み手のときめきを誘う少女マンガとしては秀逸だと思います。 この作者の作品の中でも、すごく好きな作品の一つです。
学生の頃に古典を勉強しましたが、源氏物語といえば「光源氏」ぐらいの知識しかありませんでした。それでも、やっぱり一度は読んでみたいと思い、いろいろな方が書かれた源氏物語の本を手に取ってみるのですが、どうも難しい! そんな時に出会ったのが「あさきゆめみし」でした。 この7巻目は、光源氏がもっとも愛した紫の上さまが亡くなってしまいます。 読んでいる私も涙が出そうに悲しくなりました。 読み終えた後は、あまりのすばらしさに感動、感動、感動でした。
光源氏と紫の上が明石の姫君を入内させてさあゆっくり暮らそう、としていたところに女三宮の降嫁。さらには柏木との密通…。因果応報という言葉では足りない、それ以上の因縁を感じずにはいられません。男の愛情に縛られず、自由の身になることを願う紫の上の苦悩も必見です。
源氏物語の須磨前までをハイビジョンにて撮影してフィルムに焼いたものをビデオ化している。画像はよくない。近年撮影された源氏物語の中でも桁外れに低予算で製作された割には健闘。撮影は江刺藤原の郷でのオールロケーション。俳優はすべて宝塚花組による。これは演技に違和感がある人もいるし、かつらをつけずに地毛なので金髪の人もいる。これは演出上のねらいだったらしく、原作者は好意的。好き嫌いは別れると思うが世紀の駄作といわれた「千年の恋」よりまともだと思うし、上品。 脚本は唐十郎、音楽は監督の兄の三枝成彰
非常に丁寧に描かれた歴史ロマンス。物語は実在の女流文化人、小野お通を主人公に、シャーマニズムや公家とのロマンスを盛り込んだものだが、数多くの歴史的武人、文化人が登場し、そうした人たちとの交流の中で成長するお通の姿は非常に爽快で、読んでいて感動的でさえある。
漫画としてはどちらかというと台詞が多いが、コマ割りはシンプルで読みやすく、構成の良さもあってストレスもない。淡々と物語は進むが、緩急を上手につけてあり、静かに、しかししっかりとした盛り上がりが数多く存在し、読み応えがある。非常に凝集された感じがあり、3巻目まで読んだが、6冊くらい読んだような実感がある。
実際は血なまぐさく、策略の多い時代であったはずだが、そのあたりはしっかりと織り込みながらもソフトに処理されており、難しい話は抜きに、当時の雰囲気たっぷりに、楽しめる。当時の著名人が数多く登場し、そうした人たちがまた話を盛り上げる。
4巻目がとても楽しみだ。
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