感動しました。長い作品でしたが、引き込まれました。
まず前半は、江南原の百姓たちの貧しい暮らしぶりが描かれ、 その中での、主人公の5人の庄屋たちの真摯な姿に胸を揺さぶられます。 上巻の一番の見せ場は、5人の庄屋たちが、藩のお偉方を前に堰の工事を願い出る 口上のくだり。気迫のある言葉に圧倒されました。
下巻で堰の工事が始まってからは、難局を上手く乗り切って欲しいと読み手の私も はらはらしながら、読み進めました。 終盤、涙なくしては読めない箇所もあり、この主人公たちには心から頭の下がる 思いがしました。
作者、帚木さんは闘病しながらこの作品を書いたそうです。 現在はお元気になられたとの事でしたが、これからも良い作品を書いて下さい。
とても、精度の高い短編集ですが、私は人間性は
ここまで残酷になれるのかと読んでいて怖かった
です。
本当のホラー小説は人間性。
作者は人間の良心と、その対極にあるものを
書きたかったのかな・・
この短編集の中にある「ショットグラス」は
本当に怖い話です。
患者に我慢を強いる医師や、あまりにひどい
強姦犯人がでてきます。
作者のことなので、どこかの大学や病院で
実際に経験をした話でしょう。
それを思うと怖くなりました。
最初友人から借りて読みましたが、自分も鬱病の状態だったせいもあり、ラストは喫茶店の中で涙があふれて止まりませんでした。本が涙でぐちゃぐちゃになったので返すために買いました。自分の今まで読んだ本の中でベスト5に入ります。とにかく感動ものです。
九州、筑後川沿いの貧しい農村に水を引くための堰を築く庄屋達の苦労を描いた歴史小説。土地が、川の水面より高いため、農業用の水さえ川の水を汲んでいるような農村では、よい米どころか、稗や粟でさえも作るのが難しい。筑後川のような大きな川を堰き止め水を引くのは、とてつもない大工事で、財政の苦しい藩も簡単には動かない。農民苦しい状況を改善するため、命がけで立ち上がった5人の庄屋を、農民、武士、商人達が支えて取り組んでいく。貧しい農民達の姿や庄屋達の並々ならぬ熱意とそれを一生懸命支える老侍の描写は鮮明で、普段小説は読まない私も感動させられた。
アフガニスタンのこと、何も知りませんでした。タリバンのこともバーミヤンの石仏のことも。そんな予備知識がない者にも読めます。読めるどころか、読み終わった後、アフガニスタンのことを調べたくなります。今も世界のどこかでは戦争が起きているし、女性差別が起こっているのだということを知り、考えさせられました。
良書です。
|