リンクスはこのCDで始めて聞きました。 フルートの4重奏はとてもバランスが良く 気分を良くしてくれます。 特に1曲目の"千と千尋"と2曲目の"魔女の宅急便"は おすすめ! 聞く人にきっとさわやかな風を運んでくれると思います。
1.彼女について知っている二、三の事柄
2.第三の男
3.無防備都市
4.アルファビル
5.24時間の情事
6.インテリア
7.沈黙
8.幕間
9.太陽の下の18才
10.水の中のナイフ
11.ロリータ・ヤ・ヤ
12.狂ったバカンス
13.欲望
14.大人は判ってくれない
15.大都会交響楽
New wave期ライダーズの頂点。
曲名は映画から採られているが直接の関係はない。
(「第三の男」と「ロリータ・ヤヤ」はカヴァーというかダブヴァージョン)
奇妙なアルバムタイトルはかつてフランスで実在した「カメラを万年筆のように
記録道具として使おう〜という運動から採られたもの。
同時期のXTC(たとえばBlack Sea)と比べると面白い。
手法やアイデアに触発されてはいるが、過激さや突き抜け方はライダーズの方が上。
ディスク4枚のBoxです。 1.「あこがれ」「大人は判ってくれない」 2.「アントワーヌとコレット」「夜霧の恋人たち」(「アントワーヌ・ドワネル」シリーズ) 3.「家庭」(「アントワーヌ・ドワネル」シリーズ) 4.「逃げ去る恋」(「アントワーヌ・ドワネル」シリーズ)
<ディスク1> 【あこがれ】★★★★★ モノクロの本格短編処女作品です。ジェラール・ブラン、ベルナデット・ラフォン主演の南仏の田舎町を舞台に大変美しい作品です。作品自体もですが、主演女優ベルナデット・ラフォンの「みずみずしさ」が魅力的です。悪ガキたちが、彼女にあこがれ何かといたずらをしかけます。子供たちの、演技とは思えないのびのびした様子が楽しい作品で、後の『トリュフオーの思春期』を彷彿とさせます。(17分)
【大人は判ってくれない】★★★★★ 哀愁をおびたメロディーのながれる中、エッフェル塔を遠くにパリの街並をぐるぐると写す冒頭から、一気に引き込まれるトリュフォーの長編処女作品です。(あまり幸せではなかった子供時代の自伝的作品です。) 本作品のためにオーディションで選ばれた、ジャン=ピエール・ レオー(当時14歳)が主人公「アントワーヌ・ドワネル」を演じ、作品の成功に大きく貢献していると思われます。映画製作に加わる事自体が楽しくてしかたがなかったのではないでしょうか。とても生き生きとした演技です。「ジャン・コンスタンタン」の楽曲がとても印象的。 特典映像はオーディション時のレオーの様子、トリュフォーの演技指導の方法など、とても充実しています。
<ディスク2〜4>★★★★ 【アントワーヌとコレット】【夜霧の恋人たち】【家庭】【逃げさる恋】
『大人は判ってくれない』の主人公「アントワーヌ・ドワネル」のその後で、シリーズ作品。 「ジャン=ピエール・レオー」主演。本人の成長と映画の主人公「アントワーヌ・ドワネル」の成長がシンクロする、という面白い試みの作品群です。
初恋に始まり、いくつかの職業と恋愛を経て結婚。子供も誕生します。その後もなにかと波乱を含んだ(離婚も)、なんとも不器用で子供っぽいロマンチストの「ドワネル」の物語がつづきます。 『夜霧の恋人たち』にはデルフィーヌ・セイリグ(『去年マリエンバートで(アラン・レネ)』他)が出演しています。ドワネルが一瞬にして心を奪われてしまう、魅力的な年上の女性を演じていますが、ドワネルの気持ちがわかる素敵な女優さんです。
この4作品はドワネル(レオー)を甥っ子かなにかの成長をハラハラしながら見守るような楽しさがありますが、多少解せない部分もあり、またファン(ドワネルの)ではない方にはどの程度楽しんでいただけるのかわかりません。全体に小粒な作品でトリュフォーらしいしゃれた味わいがあります。またパリの街の風情を楽しむこともできます。 ヌーヴェル・ヴァーグの作品に詳しい方、映画通の方であれば、いろいろな発見の愉しみもあるみたいです。
※このDVDの音質、画質はまあまあですが、特典(作品解説、監督インタビュー、オーディション風景など)がとても充実している点がおすすめです。
トリュフォーの自伝的作品であるこの『大人は判ってくれない』は、トリュフォー自身または友人たちの幼少期のエピソードをカードにまとめ編集したもので、作り話は一切ないそうだ。
トリュフォーの分身アントワーヌを演じたジャン・ピエール・レオのこの映画における存在感についてはいまさらふれるまでもないが、大人になってから出演している『アメリカの夜』(トリュフォー)や『男性・女性』(ゴダール)では、子供の頃のオーラが消え失せてしまい、ケチな小男という印象の俳優に落ちぶれてしまった不思議な人でもある。
母親の連れ子であり、学校ではイタズラを繰り返し鬼教師から目をつけられるアントワーヌが、友人と学校をサボるようになり、しまいには盗みを働いて鑑別所送りとなる。こんなにも暗い少年期を描きながら映画が辛気臭くなっていないのは、大人たちからの信頼や愛情の代わりに<自由>を勝ち得た少年の明るさが映画全編を覆っているからだろう。
ともすると犯罪者一直線のトリュフォーの転落人生を支えたのは、この人の明るさに引きつけられた友人たちであり、中でも<映画>はトリュフォーにとって最良の友人であったにちがいない。もしかしたら、子供時代のワクワクとした好奇心をいつまでも失わなかった人しか、、優れた映画監督にはなれないかもしれない。
「大人は判ってくれない」での哀しげな表情のドワネル。 「二十歳の恋」では好きな女の子の向かいのお部屋に 引越ししてくるけな気なドワネル。 「夜霧の恋人たち」のとほほな探偵姿のドワネル。 「家庭」では初めてパパになるドワネル。 「逃げ去る恋」では今までの恋が浮かんでは消える、 そんな中で新たな恋を見つけるドワネル。 こんな風にこのDVD-BOXでアントワーヌ・ドワネルの 人生を垣間見れてしまうなんて、何て素敵なの☆
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