ロンドン発、リバティーンズの1stアルバムのUK盤。 デビュー・シングル『ホワット・ア・ウェイスター』が歌詞の問題で放送禁止となったにもかかわらず全英チャートでトップ40入りを果たしたリバティーンズ。英国で10月21日に発売された1stアルバム『リバティーンズ宣言』もミュージック・ウィーク10月27日付チャートで初登場35位を記録。プロデュースを務めるのは元クラッシュのミック・ジョーンズ。贅肉を極限まで削ぎ落としたソリッドなギター・サウンドを武器に、ブリティッシュ・ビート直系の音世界を展開。今年のサマソニでもベスト・アクトとして絶賛の嵐を浴びるなど、かなり凄いことになっているバンドです。
THE LIBERTINESの成り立ちから活動休止までをストーリーとして記録したノンフィクション・ドキュメンタリー。
メンバーたちをはじめ、アランマッギー、ジェフトラビス、リサムーリッシュ など関係者による充実したインタビューや証言をしっかり集めたうえで構成されているため、真実味があるし、内容もドラマチックだ。
確かに、どこまでが真実の記述かわからなくなるほど、著書ピートウィルシュのかなり偏った視点で書かれた部分も多い。
しかし、ドキュメンタリー本として、ひとつのストーリーにまとめるには、ある意味必要な要素だと思うし、
ヒューマンドラマとしても感情移入できる要素がある。
ロックバンドのドキュメンタリー本としては傑作本だと思います。
デビュー・アルバムが大ヒットしたバンドにとって、それを凌駕するセカンド・アルバムを作ることがどれほど困難なことか。我々欲深きリスナーは、どうしてもデビュー・アルバム以上の出来をセカンド・アルバムに期待してしまう。これは卑しい人間のサガであるが、まさにこの欲深さが原因で、セカンド・アルバムの評価が非常に恣意的に決定付けられてしまう。デビュー・アルバムリリースの段階では、まだそれほど固定的なファン層が出来上がっていないことから、そのアルバムはほぼ公平な形で評価されうる。しかし、セカンド・アルバムのリリースの場合は明らかに違う。すでにファン層が出来上がっている。そして何より、デビュー・アルバム以上の出来を無意識的に必ず期待してしまっている。この意味において、セカンド・アルバムは公平に評価されにくいという宿命を背負っている。この悪しき宿命というか、大物への険しき登竜門ともいうべきセカンド・アルバムのリリース。これがどんなに困難なことか…。 でも彼らはやってくれた。素晴らしいセカンド・アルバムを我々愚かなリスナーに届けてくれた。彼らにはまったくもって尊敬の念でいっぱいだ。彼らの内なる友情を歌った1・14を聴いて何も感じない奴など、この世に存在しないだろう。どんな馬鹿でもこの曲の素晴らしさに気づくはすだ。5・10の繊細なメロディは、どんなに荒んだ心をも和らげてくれるだろう。2・4・6・8を聴けば、誰もがハイになって飛び跳ねている自分に気づくはずだ。ラストの盛り上がりがユーモアに溢れている9からは、ピーターの遊び心に触れることができるだろう。とにかくアルバム全体を通して聴ける歴史的名盤である。 最高。このアルバムを聴いて、幸せになれない奴なんて存在するのか?聴かなきゃ損、どころじゃなくて、もう思いっきり不幸だよ。
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