アル中(文中の表現、現在はアルコール依存症と呼ばれる)の心情がきわめて赤裸々に語られています。それは、著者自身の感想であったり、プレスリーなどのアル中の状況の例であったり、学問的な見解の紹介であったりします。
この作品から読み取れる何故飲むのか?という問いに対する答えは多様ですが、酒好きだからでは無いという事は確かです。最も説得力のある答えは単純で、時間が有り余っているから、というのがあります。確かに忙しく仕事をしていると、飲む時間はありません。暇が多いと、ふらっと酒に手が伸びるという事は深く共感します。
主役小島はアルコールで入院しますが、主治医の赤河先生は独特な男です。この型破りな先生との出会いにより、小島はいったんは立ち直るのですが、その経過は見物です。最後は二人が霊安室で乱闘騒ぎです。
綿密に資料を整えて書かれたこの作品は酒好きにとってドキッっとする場面が多いです。
大変密度の濃い作品ですが、楽しくハラハラしながら読めます。
今まで大河ドラマは物心ついた黄金の日日以降数多く見てきましたが、これがやっぱり一番。
近年では風林火山(前半は特に)がよかったけれども、台詞回しが遅くてテンポがイマイチな感がありましたが、こちらは言葉遣いもそれらしく(宮方、武家双方に違和感なし、義経など宮方が京言葉の物がありますが、関西人の俳優でないことが多いので却って違和感多し)、テンポもいいので見始めたら止まりません。
個人的には子供の頃住んでいた所や出生地、勤務地は太平記絡みの所ばかりだったのを本放送後知り、再見するにつれ親近感からさらに好きになっていきました。
歴史物であるので、歴史の再現的な側面は当然ながらあるでしょうが、
娯楽作品でもあるこのドラマには色々なテーマが内包されています。
美しきもの(理想)とは、忠節とは、家族とは、兄弟とは何かを主人公である尊氏は生涯を通じ問われ続けます。(視聴者である我々にも)
彼を取り巻く人々は歴史上の人物で有りながら、その問い掛けをするメタファーでもあります。
理想の社会を築きあげるべく、迎合と離散と戦を繰り返し、敬愛する帝や尊敬する武将たち、最後には愛する弟や息子と骨肉の争いを繰り広げざるを得なかった尊氏は最後の最後、死が迫るなか、自分なりの答えを見いだすのです。
「ただ、これでよいと」
それは、清濁あわせ色々なものを見てきた尊氏が、死期が迫る自分自身に対する慰めの言葉のようにも聞こえてしまいます。
ただその言葉は、どの大河ドラマの主人公よりも私の心を掴んで離しません。
見所
軍記物としてのクライマックスは前集の鎌倉炎上に或いは湊川にあるでしょうが、
先ほど述べたテーマとしてのクライマックスは当然なのかもしれませんが最終の3話に凝縮されています。
婆娑羅大名であり、権威や序列を否定するはずの師直が尊氏に対する忠節を捨てていなかった事を改めて思い知らされる下りは、高時に対する守時の忠節、後醍醐帝に対する正成の忠義
と似ていながらも欠徳の主に対する忠臣達とは真逆の構造でもあり、対比させると面白くかつ感動する場面でもありました。
また足利兄弟の最後の場面は、言わずもがなの名場面であり、兄弟(家族)の相克と理想への回答が巧みに織り交ぜられており、単なる泣かせる場面以上の迫力と余韻を残します。
重い展開が続きますが最後の尊氏と判官殿のやりとりはほっとさせられます
総評
歴史的にマイナーな時代を取り上げ、完結していながら実は未完でもある原作をリスペクトしながらも補完し、古典太平記のテーマも十分理解したうえ、完成度の高いドラマに仕上げたスタッフの努力それを見事に演じきったキャストの熱演など奇跡的な作品と思います。
未見の方は是非、好きだったけれど昔見たきりの方も感動を新たにできると思います。
家族間で展開する6編の短編集。 どこの家庭にもありそうなことをユーモアとちょっぴりジンとくるストーリーたちです。 どのストーリーも家族の愛や絆を感じさせます。 家庭を持つ私としてはほのぼのと楽しく読めました。最後の「妻とマラソン」は読後に一番ジンときました。
誰でも知っている四文字熟語 四面楚歌 圧倒的有利だった項羽は自らの地元である楚の人にも裏切られ紀元前202年この世を去る。その時代,我らが日本にはやっと稲作が大陸から伝わってきた頃である(その稲作を伝えてくれたのが楚人である可能性が高いと司馬遼太郎は書いている)。日本には卑弥呼さえ出現していない弥生時代に四面楚歌の四文字熟語の語源となる歴史的事件が中国で起きていたとは中国文明は奥が深い。しかも孔子が出現したのは更にそれより遡ること350年前である。
高校生の頃、再放送で見ていました 背景は確かにアレですがストーリー、何よりキャストが素晴らしかったです 武蔵を演じる役所さんがとにかくカッコいい!野性味溢れて武蔵の激しさを見事に演じていました 武蔵と言えば役所さんしか思い浮かばないので大河ドラマは全く見ませんでした 古手川さんのお通もひたむきで美しく、他のキャストも適役でした ビデオも行方不明になり、あったとしても再生不可になってるだろうと諦めていただけに 完全版があったと知って感涙物です
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