ハンニバルシリーズは、羊たちの‥‥から全部見ています。 今回は、第二次世界大戦の際のあまりにも悲惨な体験が、狂気殺人をするきっかけとなったということで、大変、分かりやすかったと思います。 狂気殺人鬼になった過程は、理解できましたが、映画としては、警察対犯人のかけひきや、もっと深い謎解きのような展開になってくれれば、もっと楽しめたなぁと個人的には思います。 ちょっと、犯人主導型で、警察は、後追いのようなストーリーの流れだったので、警察は、オマケ的に見え、もっと、互角に戦える、刑事がいればなぁと思いました。 でも、これは、これで、狂気殺人鬼のスタートが、わかったわけですから、次作は、レッドドランゴンの続きで、あっと驚かせて欲しいと思います。
映画を見てから読んだが、かなりの違いがあったので驚いた。 しかし私は小説の方が秀逸だと思う。 なぜなら、映画のレクターはかなり超人的に描かれているように思うが、小説では人間的な部分も垣間見られ、魅力を増しているように感じたからだ。 レクターの生い立ち、妹、怯え、そして正義感、それらが彼に存在感を与え、官能的ですらある。 クラリスとのエピソードも、映画よりもまさに彼らしいと思う。 レクターファンにはたまらない小説である。
過去のレクター・シリーズはすべて観てましたが、本作は評価が微妙だったり、若手俳優によるレクターの演技に期待が薄かったので、いままで観てませんでした。しかし観て驚きました、面白いじゃないか!と。始まって早々、美しさと緊張感が張り詰めた映像に目を奪われました。本作が過去のシリーズと大きく違うところは、舞台が現代から1950年代になったところ。レクターの若い頃を描いているので当たり前ですが。なので、映像の雰囲気が今までと違います。冒頭のハンニバルの家族と幼い妹が殺されるシーンはとても切なく、以後のハンニバルには感情移入してしまいました。今回のハンニバルの犯行は妹を奪った男達への復讐なので、殺害シーンは不謹慎ながらもスカッとしてしまいました(ゆえに、肉屋の殺害シーンは余計だったかも)。ハンニバルの存在に気付いた敵側も反撃を試みる展開も面白かったです。若いながらも医学知識を持った天才的な頭脳と、相手の行動の先を読むハンニバルの犯行には、のちの中年・初老のレクターの面影が見えました。ギャスパー・ウリエルは経験が少ない若手俳優さんながらも見事にハンニバルを演じきったと思います(ホプキンスとはまるで顔が違いますが・・・)。最後に明かされる真実はショッキングでした。あの一言でハンニバルは真のモンスターになったと思います。私はそんなに気になりませんでしたが、日本人のお怒りをかった間違った日本の要素はいらなかったかも。日本版は剣道や鎧のシーンなどはカットしてもよかったかもね。
う〜ん、と言いたくなる点は確かに散見できます。
よく言われるように「紫夫人」はいつの時代の「日本人なんだよ!」ですし、
レクターがなぜああいう人間になったかと明かされている部分にしても、
完璧に納得できるほどではありません。
非常に些細なことで言えば
レクター博士が生まれながらに6本指であったことには一言も触れられなかったし
これまで日本趣味のかけらも見せなかったのにもかかわらず
源氏物語の朝顔の巻の和歌で受け答えが出来るほど日本文化に詳しいなど
「あれほど衒学趣味のレクターがなぜこれまでその片鱗すら見せなかったのか」
と言う疑問など、突っつけばいくらでもボロがでそうです。
それでも相変わらずぐいぐいと読ませてくれるストーリーではある事には変わりありません。
真剣にレクターの過去を読むよりも、これも一つのエンターテイメントとして受け止めれば
ぞれなりに楽しめ、面白く読める小説ではあると思います。
トマス・ハリスの新作はレクターシリーズの原点。ハニバル・レクターの幼少期〜青年期の物語です.彼に何が作用したのか?戦争が大きな影を落とします.映画を先に見たのでストーリーを追うような形になりましたが、さすがハリス自身が脚本を書いただけあって、映画はストーリーに忠実でした。お話のキーパーソンとして日本人がでてくるのですが、どうにも違和感が拭えませんでした.(映画でもそうですが)以前の作品より小振りな感じがします。値段と読む時間を考えたら、映画のレンタルDVDを見た方が、お得だと思います.
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