10年ほど前に脳腫瘍を患いシーンから姿を消した希代の名ボーカリストがリーダーバンドを率いて復活した。グラム3兄弟がそろい踏みしたこのバンド編成にルーを気遣う兄弟愛を感じたりもする。70年代後半から80年代前半にオンタイムで彼らの音楽に接したファンの一人として素直に感動した。まず星は1つオマケしたい。
ジャケを見てルーの面変わりには正直ビックリはした。薬や治療の影響かどうかは分からないが、スリムで小柄だった彼が、まるで巨漢のように映っている。ただ、唄声には往年の色気やソウルフルさは残っている。ハイトーン部分の陰りは否めないがそれでも、この声を聴きたかったのだから、それだけでうれしい。
音楽性はフォリナーに通じる、メロウでブリティシュ、適度にキャッチー適度にブルージーなものだが、やはり希代のメロディメイカー、サウンドつくりの名手であった盟友ミック・ジョーンズ不在なだけに決定打となる曲には欠ける。
またサウンド自体も、アメリカで大成功したにもかかわらず全盛期はリズムセクションがイギリス人だったこともあり、適度に渋さを持っていた部分が妙に明るくクリアすぎる部分が少し音楽性にそぐわない気もした。
ただ、フォリナーのファンの方は買って損はないです。ここまで復活してくれたのなら、フォリナーに再加入なんて、夢がかなうかも。
一流の脳神経外科医で、手術の上手な安井先生の本はどんなものかと読みました。学会では聞くことができなかった安井先生の胸のうちを知り、改めて安井先生の偉さに感じ入りました。一般の方には難しいことを、判りやすく説明してある。脳神経外科医が読んでも興味深い。難点は一般書としてはやや高いこと。私が若くしてこの本に出会ったなら、秋田県立脳血管研究センターで研修していたことでしょう。
良い本が出たと思いました。私は転移・多重癌などで3度の入退院の末に、それまで認識不足だった食事療法を本気で続け、ようやく5年無事に過す事が出来ました。レビューに酷評があるので、賛否両論が分かれるような本かと敬遠されると惜しいと思います。誤解の一因はタイトルで、現在数センチとかの癌が、食事療法だけで消えるとイメージすると、そんな難しい事を言う=とんでもない本と感じられるでしょう。誤解の無いように言うと「今ある目に見えないがん細胞が消えるのに有効な食事」となります。癌細胞の性質・体力等様々な要因で、どうしても残念な例もあるので、酷評は、やり場の無い悲しみを、この書名にぶつけておられるのだと思います。また、玄米菜食等の健康食とガンを結びつけただけの、安易な本も多いので同類かとの誤解もあるのかもしれません。どうぞ告知や転移などのショックに慌てて、癌をキャッチフレーズにしているだけの本や、サプリメント類に飛びついたり、逆に疑いすぎたりせず、落ち着いて検討して下さい。
標準的な医療だけで治癒される方もおられる一方で、どんなに優れた医療でも力の及ばない場合があるのは事実です。でも中間的なケースも多いし、一旦退院しても、転移や再発・多重癌の危険性もあるのですが、食事療法によって正常な細胞がしっかり新陳代謝してゆけば、目に見えないがん細胞の増殖を押さえ、再発や転移を防いで、治癒率を高めることは可能だと思います。
もちろん、きちんとした医療を受ける事が最も重要で、何をおいても、実力のある病院や医師に巡り会う努力をするのが最優先ですが、癌は、どんな展開があるか予測のつかない病気で、退院後どう過ごせば安全なのか解りません。でも、たとえ万全ではなくとも、医療の補完に、自分で出来る事を過大な負担(ストレス)にならない範囲で慎重に継続する他に、より良い方法があるでしょうか。焦らず、あきらめず、良書を参考に食材や調味料をコントロールした方が賢いと思います。本書のP33〜P40にかけて、ゲルソン療法、星野式ゲルソン療法、甲田療法等を参考にされた事が書かれていますが、それらと現代医学との総合の上に、より実践面への配慮が加わっている点で、理解・継続しやすいと思います。
この本は、なぜその食品を有効と考えるかの説明が解りやすく、献立も簡単なメニューでまとめてあって、実行しやすいと思います。私自身は、これまで参考にした療法と重なっていたため、もう購入する必要は無いかとも思ったのですが、あまり安心して崩しすぎないために、食亊療法に関する知識の集大成として購入し、目立つ所に置いています。自分の苦い体験から、食事療法は心がけ程度では効果は薄く、危うい事態を招いてしまったが、本気で実行後は無事に過ごせたと言う事は、やはり効果有りだと思います。体調が落ち着くまでの、最低半年から1年、出来れば3年を目処に、一歩でも安全側に近づくために試みる価値は充分あるでしょう。慣れると体質や好みも変化して、続けやすくなってきます。
食事療法を本当に実行してみようと思われるなら、誤解を招くタイトル(目標だと思う)で☆を1つ減らしましたが、現状ではこの本が一番優れていると思います。
脳リハビリの具体的なやり方や手順を紹介する、
いわゆるノウハウ本とは趣が異なる。
脳科学に限らず医学全般に言えることだが、
病気によってある機能を損失した対象に研究を行い
その機能のメカニズムや重要性を調べることは多い。
(ある機能を失った患者の遺伝子に特徴があれば、
その遺伝子と機能に関係があることが推察できる など)
その意味で、脳卒中により運動機能を失った人を対象にする
リハビリの研究は、脳がいかにして体をコントロールしているかを
知るための大きな知見を与えてくれるということがわかった。
・リハビリはラクなほうが効果がある
・「出来たことしかできるようにならない」
・上手にほめると脳が変わる
など本書にある情報は、リハビリという分野を超えて
私たちの持つ脳を理解する非常に重要な情報を与えてくれる。
医療者ではなく、テレビディレクターという職業の人が書いているため
一般の読者にも理解できるよう工夫が凝らされているのも嬉しい。
本書は、近藤誠氏の著書に、「がん治療にたずさわっている医師の体験談は載せない、という原則を破って」紹介されていたので読んでみました。 近藤氏の主張では、すでに症状が出ている1回目の手術は別として、症状の出ていない2回目、3回目の手術は受ける必要はない、という意見ですが、著者が懸命に戦っている姿を見るて、実際に患者になったことを考えると、「がんと戦わないでいられるのか?」と考えたくなります。
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