漫画自体初心者で、この漫画は友達に勧められて購入しました。 最初に感じたのはとても切ない感覚です。友人や、家族などのありがちな日常を描いているのですが、それがとても繊細に描かれているのでびっくりしました。この本はいくつかの短編集からなるオムニバス形式です。私がもっとも心を打たれたのは、文庫のタイトルにもなっている「夢みる頃をすぎても」という短編のラストの場面で、ガラスの靴を履き好きな人とステップを踊りたいという漠然とした理想を語るところです。そこで、主人公はこうも思います。「みんなガラスの靴をはきあやういステップを踏んでいる」(p.197)みんな、あやういステップを踏んでいる。私たちも一回限りのかけがえのない人生を、取り返しのつかない時間の中で日々、ガラスの靴をはきあやういステップを踏んでいるのでしょう。流行りの歌で、つないだ手を離したくないという表現がよく見られますが、これは、つないだ手を離すと相手がどこかに行ってしまうかもしれない。どこにも行ってもらいたくない。この時間が永遠に続いてほしいという気持ちの表現でしょう。しかし、時間は流れ、現実は変わる。その変わりゆく現実の時間の中で、私たちはガラスの靴をはきあやういステップを踏んでいるのでしょう。。 いつになったら、美しく踊ることができるのでしょうか(^^;)。
最終章で泣かせたファンに届いた最新章は、青春の忘れ物を拾いに 行く、ほろニガい作品です。 宣戦布告の相手だったオトナになることを悟ったコドモが、夢を現実 に変えるか、夢見てたことすら忘れるかの瀬戸際に立つ歌かなと感じ ました。 縦にノれるキャッチーでポップなメロディですが、全体を包む空気が、 なんだかノスタルジックで、卒業式の後に旧友に会う気分になるのは 考えすぎかもしれませんが。ぜひ確かめてみて下さい。 イラストは可愛いけど、中にあるもう一枚の6人の絵でのポーズに もうひと工夫、期待してしまいました。
リンダ・ロンシュタットを聴き続け、はや20数余年。 この時期になって、数々の過去の名作に匹敵、ないし 上回る作品を届けてくれることに、ひたすら感謝したい。 音はロックで統一され、タイトル曲の「We Ran」から、 近作とは違った、気合いの入った音づくりが感じられる。 ときに大味に流れるきらいがあるリンダのボーカルは、 ここでは引き締まっており、可憐で、まるで少女の声の ようにいとおしい。個人的には、リンダの最高傑作と呼びたい。
シンガー&ソングライター岡村孝子さんのディープなファンは「孝子教」ともいうべき熱狂的な人々である。私もその末席に連なっているが、本書は結婚以前に語り下ろしたエッセイ。さわやかで負けん気の強い人柄がにじみ出ている。サッカー観戦で浦和レッズのサポーターの中、横浜マリノスを応援した話、「あれ?岡村孝子じゃないか」と思いながら、何も言わずレッズを応援した少年の話など、詩人としての感性もうかがえる。集団的熱狂とは違い、密教的な静かな熱狂のなかにある孝子さんファンの聖典である。
八神純子絶頂期 1980年から、パープルタウン、Mr.ブルー、I'm A Woman, 恋のマジックトリックと、シングル発売が続き、いつになったらアルバムが出るのか、待ちに待って、 この「夢みる頃を過ぎても」が発売になり、すごいヘビーローテーションで擦り切れる程、LPを聴きまくった思い出深いアルバムです! 「シークレット・ラブ」〜「白い花束」の妖艶な声は、今まで以上に八神純子が歌がうまくなったことがわかります。 アルバム構成が素晴らしく、「I'm A Woman」〜「FLY AWAY」なんて、かっこよすぎます!聴きどころ満載の永遠のマストアイテムです。
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