真山仁が初めて挑んだ政治小説ということで期待して読んだが、読後感は余りよくなかった。
舞台は震災後3年が経過した日本。震災による打撃により経済が停滞し、自信を失った日本を立て直すべく登場したカリスマ的な魅力と先見性を有する宮藤総理は、強力な指導力を発揮して日本を引っ張る。但し本書の主人公は宮藤総理ではなく、宮藤に仕える若手の政治学者の白石望だ。
理想に燃えた政治家であった宮藤が次第に回りの意見に耳を傾けず独裁的な傾向を強めていく姿が、白石の目を通して描かれるが、本書のテーマが独裁者批判なのかというとそれだけではない。国益のために少数の国民の生命を犠牲にしてよいのか、腐敗した途上国と付き合うに際し賄賂を贈ることは許されないのか、といった重い命題も提示されている。
著者のスタンスは、日本人の死者が出るとすぐその責任を追求したがるマスコミに対しては批判的であるが、かといってこれらを許しているわけではない。正論のみで国益を守ることができればそれに越したことはないわけだが、それが叶わない時にどのような対応を取るべきなのか。第三者的な立場で宮藤総理を批判するのは簡単だと思うが、それは何の責任も負っていないからできることだ。仮に自分がそのような立場であったら決断は簡単ではなかったと思う。
本書でもその答えは出していないが、宮藤を悪者にしてしまったまとめ方はやや安易。結局は正論のみを掲げる従来の日本のマスコミ的な論調の域を出ていないのが残念だった。
バスケットをするためではなく普通のスニーカーとして履くために買いました。ミズノのホームページの半額だったのでお買い得だと思いましたが、靴底にある蒸れるのを防ぐための小さな通気孔は、右の靴は穴が開いているのですが、左の靴はその穴が塞がっていました。不良品だから半額になっていたのか不明ですが、返品するのもメンドウなのと、スニーカーとして履くので雨のとき穴が塞がっている方が良いという理由でそのまま履いています。バスケットシューズとして利用するつもりだったら、通気孔が二つともちゃんと開いていないと困るので返品したと思います。デザインも色も気にいっているので星4つにしました。
少ない音数の絶妙なハーモニーと上品なアルペジオによって織りなされるPride&Prejudiceのサントラ。弾いていてDario Marianelliの作風がすっかり好きになってしまいました。実際の映画でもシンプルなピアノソロが多く使われているので、映画の雰囲気が十分に堪能できます。初心者の方にもオススメです。
かつて「デザイナー」を描かれた時、 一条先生はタイトルを「プライド」にするかどうか かなり迷ったらしい。 今回この連載を始めるにあたり、描きたいものの根本は やはりプライドなのだ、という気持ちに気付いて ずばり「プライド」をされたのだそうです。 ここですごいのは、静の動きしかないオペラという土俵で 勝負をかけたことでしょう。 紙面からはもちろん音楽も歌も聞こえてこない。 ダンスやスポーツのように絵的に動きも少ない。 しかし、まるでそこに歌が確実にあるのが一条先生のすごいところ。 名門声楽科の鼻持ちならないお嬢様・史緒。 三流声楽科の貧乏で不遇な萌。 読み始めは、萌に読者の同情票が入るだろう。 しかし、そこは怒濤の展開で、史緒も萌も同率の票となるはず。 また、周囲のキャラクターも魅力的です。 一条ファンはもちろんのこと、 最近の韓国ドラマに観られるようなジェットコースター的展開が お好みの方なら、これは読んで損はなしです。
「有名な古典作品」だから「筋だけ知っておこうか」とたかをくくって見ましたが、恋愛モノである以上に家族の団欒、特に父と娘のセリフがとても良く、ラストシーンはほろりと感動。俳優さんたちの演技も素晴らしかったです。
余談ですが、DVDの映像特典で「アメリカ版ラストシーン」がありますが、本編の感動のあとでこれを見た私は、「要らないだろっ!」とつっこんでしまいました。書籍でも映画でも翻訳の巧拙には賛否両論、言語力のない私は、そうした意見を参考にしては「あ、そうなんだ」と納得、つくられた国の言語で鑑賞できる方をいつも羨ましく思っていましたが、あのラストシーンだけはいただけない! なぜアメリカ版だけがそうなのか、アメリカ在住の方をある意味バカにしているのではないのか、あるいは原作ではあのシーンが重要な場面として扱われている??
・・・色んな意味で、ぜひ原作を読もう! と思える映画でした。(しかし原作にもいろんな方の翻訳バージョンが・・・)
映像はとても美しい。特に建物が素晴らしい。原作者の生きていた時代のものを実際に使っているそうで、豪邸だけじゃなく、主人公の住む一般的な家屋も文化財的なものだから決して手を入れてはならず、本来の壁の外側に壁のセットを組み、スタジオなら穴を開けていいような場所にカメラが入れず、狭くて苦労されたようですが、おかげで外観も内装も雰囲気たっぷりです。
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