送っていただくのも早く、ビニールで包装もされており、とても丁寧にしていただきありがとうございましたm(_ _)m
この映画のパッケージは何度も目にしたことがあったのに、今まで縁がなく過ごして来た。気になって手に取ってみると、監督はロベルト・べニーニ(Roberto Benigni)というイタリア人らしく、小さな子役の表情がなんとも可愛い。『Life Is Beautiful』とはなんと大雑把な題名だろうか…… 私はこの時、油断していた。良い意味で、この作品は想像を超えていた。
映画を通して聞こえてくるのは、主人公グイドのユーモアによる心地良いリズムだ。作品の前半部は彼を取り巻く日常生活がメインであり、後半部は前半と対照的な非日常だった。 グイドは美しい女性(ドーラ)に出会う。彼は自らを『王子』だと名乗り、初対面の彼女を『姫』と呼んで挨拶する。それから時を変え、場所を変え、二人だけの世界(物語)は輝きを増して、やがて二人は結婚する。生まれた子供はジョズエと言い父親のユーモアセンスを受け継いでいる。幸せな一家の日常がナチス・ドイツによって蹂躙されたあとも、その素晴らしい才能は生き続けた。 この作品の特徴はあまりに急激に状況が変化することである。おそらく監督がはっきりと意識してそうしているのだろうが、後半部に入って突然ユダヤ人が強制収容所に送られてしまってからは、まるで反戦映画を観ているようなリアルさが前面に出てくる。グイドとジョズエは不自由極まりない生活を余儀なくされるのだが、その現実さえもユーモアによって乗り切ろうとする。現実とユーモアの極端な対比を見せられた観客は、きっと『人生』について感じることがあるのではないだろうか。
心に残る一作です。私はもっと早くこの作品を観ておけば良かったと思っています。皆さんも手に取ってみてはいかがでしょうか?
ナチス・ドイツの迫害によって強制収容所へと送られたユダヤ系イタリア人一家の物語を描いたロベルト・ベニーニ監督主演作。強制収容所の存在も人間の残酷さもまだ何も知らない幼い息子・ジョズエのピュアネスを不安や恐怖から守るために、ロベルト・ベニーニ演じる父・グイドは大きな嘘をつく。「これはすべてゲームなんだよ」と。それからは、さぁ楽しいゲームの始まりだ。グイドがつく嘘はどれも笑えるくらいに巧みで、本当だったら決して笑えない収容所での緊張をゲームの一場面へと変えてしまう。もちろんその裏側に隠されているのは収容所のギリギリの真実だが、ジョズエの見ている世界がたとえ嘘であったとしても、人が前向きに生きるということとそれを最後まで守り抜く姿がいかに美しいかを本作はコミカルに温かく描いている。ひとつの命が笑顔を忘れずに過ごす人生の美しさ。それは、疑いようのないものだ。 本作についてロベルト・ベニーニは「人生は美しい、しかし現実には人はなかなか幸せにはなれない」と語ったそう。つまり、本作はあくまで「虚構である」という大前提から始まった物語だということだ。色んな人のレヴューを読んだけど、「ナチスの真実を描いていない」とか「本来そこにあるべき凄惨なシーンがなかった」とかくだらないこと言うのいい加減止めろよ。「真実」と呼ばれるものが反吐が出るほど醜悪だから、せめて映画にはこれをやって欲しいんじゃないか。グイドが放つ痛快な嘘はまるで魔法のようにジョズエの世界を鮮やかに塗り変えていく。CGは一切ないが、これはほとんどファンタジーである。これが出来なくなるようだったら映画なんて終わってしまえばいい。ロベルト・ベニーニが映画に夢見た希望も、まさにこれだったんだと思う。
ナチス・ドイツの迫害によって強制収容所へと送られたユダヤ系イタリア人一家の物語を描いたロベルト・ベニーニ監督主演作。強制収容所の存在も人間の残酷さもまだ何も知らない幼い息子・ジョズエのピュアネスを不安や恐怖から守るために、ロベルト・ベニーニ演じる父・グイドは大きな嘘をつく。「これはすべてゲームなんだよ」と。それからは、さぁ楽しいゲームの始まりだ。グイドがつく嘘はどれも笑えるくらいに巧みで、本当だったら決して笑えない収容所での緊張をゲームの一場面へと変えてしまう。もちろんその裏側に隠されているのは収容所のギリギリの真実だが、ジョズエの見ている世界がたとえ嘘であったとしても、人が前向きに生きるということとそれを最後まで守り抜く姿がいかに美しいかを本作はコミカルに温かく描いている。ひとつの命が笑顔を忘れずに過ごす人生の美しさ。それは、疑いようのないものだ。 本作についてロベルト・ベニーニは「人生は美しい、しかし現実には人はなかなか幸せにはなれない」と語ったそう。つまり、本作はあくまで「虚構である」という大前提から始まった物語だということだ。色んな人のレヴューを読んだけど、「ナチスの真実を描いていない」とか「本来そこにあるべき凄惨なシーンがなかった」とかくだらないこと言うのいい加減止めろよ。「真実」と呼ばれるものが反吐が出るほど醜悪だから、せめて映画にはこれをやって欲しいんじゃないか。グイドが放つ痛快な嘘はまるで魔法のようにジョズエの世界を鮮やかに塗り変えていく。CGは一切ないが、これはほとんどファンタジーである。これが出来なくなるようだったら映画なんて終わってしまえばいい。ロベルト・ベニーニが映画に夢見た希望も、まさにこれだったんだと思う。
イタリア映画の音楽の美しさをピアノにじっくり歌わせたアルバム。深夜にしんみり聴いてください。映画のワンシーンが、思いで深く瞼にうかぶのは私だけではないと思います。
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