アメリカ文学の最高峰と評されるだけのことはある、素晴らしい作品です。この小説はシンボリズムや暗喩に充ちており、「白鯨」は運命、自然、または神を象徴しています。
本書が書かれた1851年はペリー艦隊が浦賀に来航する二年前、つまり江戸時代です。言葉づかいは古く、ThyだのTheeだのといった古風な表現が普通に顔を出します。しかしMervilleの英語の使い方はたいへん美しく、完璧で、読む者を敬虔な気持ちにさせるほど神がかっています。私は何度も鳥肌が立ちました。
私にとって最も魅力的な人物は、破滅的な運命を辿るエイハブ船長です。彼は白鯨に対する復讐心だけで生きており、精神のバランスを失っています。しかし彼の徹底した理想主義はたいへん魅力的です。
捕鯨や鯨の説明に関してはかなりページ数が割かれており、中にはやや退屈な部分もあるので、気長に読む必要があります。私は、Frank Mullerのaudiobookを聞きながら読みました。Audiobookを聞きながらだと、イヤでも先に進まざるを得ず、集中力を切らすことも出来ません。そのため、効率的かつ途中で挫折せず読むことができました。また、Frank Mullerは、発音が聞き取りやすく、情熱的で、退屈な文章ですらドラマチックに読み上げる天才です。
蛇足1・・有名なコーヒーチェーン店"Starbucks"の名前の由来は、本作品に登場するコーヒー好きの航海士Starbuckです。
蛇足2・・この作品は、web上で全文テクストが公開されています。"Moby Dick Text"とグーグル検索してみてください。
全3巻に分かれた長い作品を
一読して、この上巻が一番面白く感じました。
鯨の生態や船の細かい話が
私には理解しにくかったためです。
一言で言うならば、型破りな小説です。
小説といいながら、鯨辞典のようなこともあり、
小説家と思えば、戯曲のような書き方の箇所もあり…
しかし、それが逆に非常に作品としての魅力を高めています。
登場人物の紹介の箇所で、
登場登場人物に何が待ち受けているのか
分ってしまう所が、難点といえば難点でしょうか。
あと、意味が不明な箇所があったため
この評価とさせていただきます。
武満徹ゆかりの演奏家達が、作曲者の意図を後世に伝えることを目的に開いた演奏会の最終回(第五回)のライブ録音。
”海へ”、も”そしてそれが風であることを知った”も、最も遅いテンポで演奏され、作曲者の気持ちを代弁するかの如く演奏されている決定的な名演だ。
そして、フルート奏者小泉浩がアンサンブルタケミツを代表して挨拶の後、アンコールのような形で、遺作となったエアを演奏している。
ライブのため、最後に咳払いが入っているのは残念だが、この曲を日本初演して8年余、この曲を吹き続けてきた第一人者が、1996年に日本コロムビアに録音したスタジオ録音より、よりこなれて自由な、説得力の強い演奏を見せてくれている。まさしく、この現代フルートの名曲”エア”の決定的名演が収録され、この曲の一つの完成された解釈がここに提示されている。今後、これ以上の感動的で説得力のある演奏が誰からつくられて行くのか、楽しみである。
以前でたDVDでは、音声・映像ともカット部分があり、いたしかたがないとは思いながらも残念な思いをしました。
何と、あの幻のエンディング部分や、エンデングテロップにも当時の“東京ムービー”という社名のはいった初回放送時のものに戻るようで、80’Sアニメのファンとしてはうれしい限りです。
さらに、あのマドーラ役の吉田理保子のインタビューが映像特典に入っていると聞いてまたびっくりです。
今から楽しみにしています!!
もともとハープとフルートの組み合わせって、平安な響きがして好きなのですが、上手い二人の組み合わせで言うことなし、といった感じ。パユのフルートがお目当てで買いましたが、ハープのほうの音も一音一音がきれいに響いていて美しいです。吹いて奏する楽器って、そろそろ吸わないと苦しいんじゃ・・・と、何故か余計な心配をして聞いてしまうのですが、パユの場合は息継ぎも上手いので、そういう変な心配をせずに聞けて楽しめます。ピアノでも好きなアラベスクや、シシリエンヌ、日本の曲は面白いけど、なくても良かったような気も・・・。CCCDだけど、PCでも、いつもの音楽ソフトで聞けました(?)。
|